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そう。
初めて先生を見た日も同じように先生は教壇の上に立っていて、
今より少し長い前髪の隙間から私たちを見つめていた。
そんな先生に私は恋に落ちたんだ。
はじめてのテストに夏期講習、
花火大会に体育大会。
大好きだった準備室。
私の3年間のどこを探しても先生はいる。
隣に立つことは許されなかったけど、私の目の前にはいつだって先生はいた。
「...泣きすぎなのよ笑」
いつしか最後のHRも終え、クラスメイトたちはおもいおもいに過ごしている。
写真を撮ってる人もいれば卒業アルバムの後ろのページにメッセージを書き記している人もいるし、
そそくさと教室を後にしている子だっている。
皆それぞれ思うことがあるんだろう。
私はそんな様子をボーッと見つめるだけ。
泣きすぎて放心状態ってやつ。
そこへやって来たのは大好きな人。
さっきまでたろちゃんたちに囲まれてたはずなんだけどな。
『せんせ、』
「あなたね、今日が最終登校日じゃないんだからね？
来週ここ来るんだよ？わかってる？笑」
そう私は来週の第一志望合格発表後に、ここへと顔出しに来なくちゃいけない。
だから特に先生とは今日がお別れってわけじゃない。
まぁ、受かってるかは知らないけど。
『流石に私もわかってるし...』
「ならいいけどさ？笑
今世紀の終わりみたいに泣いてるから笑」
『せんせの最後の挨拶がずるかった』
「...そ？それは良かった笑」
「んま、卯月だけに言ったわけじゃないんですけども笑」
『..そういうのは言わなくていーもん』
「はっ笑 ごめんね？笑
..まぁね、でも寂しくなるねちょっと」
『ちょっと？』
「あなたね？笑
ほんとそういうところどうにかしなさい笑」
ぽんっと先生の手が私の頭の上で跳ねた。
その感触が懐かしくて優しくて。
『...せんせ、大好き』
口からこぼれ落ちた小さな台詞。
それは先生の耳に届くことなく賑やかな教室の海に消えてった。
「....俺も」
...わけではなかったみたい。
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ミナ(プロフ) - びたーさん» コメントありがとうございます！一気読みしてくださっていたなんて嬉しい限りです＾＾卒業のシーンは思い入れの強いシーンなのでそう言っていただけて良かったです！新作もご用意してるのでもしよかったらご覧ください！ (2021年7月30日 13時) (
レス) id: 265878ec51 (このIDを非表示/違反報告)
びたー(プロフ) - ずっっっと気になってて今日やっと読めました！面白すぎて一気読みしちゃいました！ 卒業のシーン思わず泣きそうになりました(/_;) とても素敵な小説ありがとうございました！！！ (2021年7月26日 17時) (レス) id: 2487ef4d88 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます！そう言っていただき嬉しい限りです＾＾これからも愛してくだされば幸いです！ (2021年5月15日 13時) (レス) id: 265878ec51 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - このお話ほんっとに大好きで何度も読み返してました（ ; ; ）素敵な作品をありがとうございました（ ; ; ）！ (2021年5月15日 8時) (レス) id: f807f5b3ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミナ
| 作成日時：2021年4月20日 13時
