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「Aちゃん、今日さ、」


『むり、断る』


「まだ何も言ってないんだけど!?」



及川のことだ、どうせろくな事言わないに決まってる。どうせ、バレー部のマネージャーにでも誘ってくるんだろう。



「バレー部のマネ、やんない?」



………ほら、大当たり。
昼休み、及川がクラスの男子に、マネがいなくて困ってるとかなんとかって話してるのが聞こえてきたからね。
大方その手の話だと思ってた。



『………………やんない』


「じゃあじゃあ、練習だけでも見に………、」


『行きません』



即答すると、この男はわかりやすくしょぼくれた。
ここまで感情が顔に出る人間も珍しいな。
ほんとに同い歳なの?



「………じゃあ、今日一緒に帰れたりしない?」


『なんで私が及川と帰んなきゃなんないの』


「Aちゃんともっと話したいんだ」



いつものおちゃらけた言い方じゃない。

なに、その顔。
及川はいつになく真剣な表情でそう言った。
こんな風に真っ直ぐ目を見つめられて何かを言われるのは初めてで、少し動揺する。



『……そもそも帰る方向違くない?』


「大丈夫。Aちゃんの電車、○○線でしょ?俺と一緒!」


『は?なんで知ってんの』


「Aちゃんの友達に聞いた」



前言撤回。
ありえん、そこまで根回ししてきたか。
一転、この男が怖くなった。



『……アンタってストーカー向いてそう』


「ええっ!違うよ!?断じて違うから!!」


『無理、信じない』



必死に否定する及川から顔を背け、はあとため息をつく。
この人相手にしてたら日が暮れる………。

なんだか今の会話だけでどっと疲れが溜まった気がするんですけど。

そしてそんな私とは反対に、何故か生き生きしている及川を見て、また腹が立った。





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蜜柑(プロフ) - 卵おにぎりさん» ありがとうございます!最近更新できてなかったので頑張ります…! (2021年8月3日 14時) (レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
卵おにぎり - とても好き! (2021年8月3日 11時) (レス) id: 9fc3fd6c87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蜜柑 | 作成日時:2021年5月30日 19時

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