上善水の如し［ONE PIECE］ (ページ39)

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第36話ページ39

私たちはユバにたどり着いた。

「……これは……？」

「そんな…」

ビビ王女は膝から崩れ落ちた。

麦わらの一味も驚いている。

「これじゃさっきの街と変わらねぇ…！」

「ここはオアシスじゃねぇのかよビビちゃん…！」

建物は砂に飲み込まれている。

砂によって地層が上がったのが原因だろう。

「旅の人かね………砂漠の旅は疲れただろう。」

声のする方をよく見ると、人影を発見できた。

この街の人間のようだ。

老齢の男はスコップを手にし、穴を掘っている。

「ここは少々枯れているが……宿ならいくらでもある。ゆっくり休んでいくといい」

「あの…この街には反乱軍がいると聞いてきたのですが…」

「反乱軍に何の用だね……あのバカどもなら、もうこの街にはいないぞ……！！」

麦わらの一味は王国の信用を取り戻すために、反乱軍の説得を試みているらしい。

しかしその反乱軍は街の衰退と共に、‘ナノハナ’の隣街である‘カトレア’に本拠地を移したという。

あ、ナノハナは私が食いっぱぐれて服も買えなかった街だよ。

「おいビビ！どういうことだ！」

「ビビ……？…今、ビビと……？」

「あっ…おいおっさん！ビビは王女じゃねぇぞ！！」

「言うな！」

「あ、あの、私はその……」

相変わらずルフィは嘘が下手クソだ。

嘘が下手というか、寧ろ嘘をつく気がないようにすら聞こえる。

…というか知らなかったけど……やっぱりこの王女、勝手に城を抜け出してきたんだな……

「生きていたんだな！よかった……！私だよ！分からないかい！？…痩せたから無理もないな」

「……！！トトおじさん……！」

「そうさ…！」

「…そんな……！！」

「私はね、ビビちゃん…！国王様を信じているよ…！あの人は決して国を裏切るような人じゃない…！そうだろう！！？……反乱なんてバカげてる…！あの反乱軍(バカども)を……頼む！！止めてくれ！！！」

トトと呼ばれたじいさんは涙ながら懇願した。

それにビビ王女は笑顔で答えた。

「心配しないで！反乱はきっと止めるから」