上善水の如し［ONE PIECE］ (ページ34)

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第31話ページ34

「「どうも、ウチの弟がお世話になってます」」

「「や、まったく」」

「メロリ～ン！！再び貴女に会える日を楽しみにしていました」

「サンジっていったっけ？あとゾロ。ルフィが呼んでたから覚えてるよ」

「光栄ですぅ～～！」

「うるせぇぞクソ眉毛」

賑やかな船の中、ルフィは起き上がって純粋な疑問を口にした。

「なんで2人ともここにいるんだ？」

「私は例のごとく仕事……」

「なんだお前、ドラムで伝言聞いたわけじゃねぇのか」

「ドラムで？」

「あー、いいさ別に。大した問題じゃねぇ。……なぁルフィ、白ひげ海賊団に入らねぇか？仲間も一緒に」

久しぶりに弟に会って、開口一番に勧誘？？？

それなら私だって勧誘したい。

「いやルフィ、海賊やめて海衛府おいで」

「どっちもいやだ」

「「だろうな」」

知ってた。

「俺は白ひげを海賊王にならせてやりてェ…。ルフィ、お前じゃなくてな……！」

それは初耳だ。

予想通りではあるけれど、やっぱり海賊王になる夢は捨てたのか。

「いいさ！だったら戦えばいいんだ！！」

ルフィの目は真っ直ぐにエースを捉えていた。

いいな、こういうの。

2人とも自分の夢を追いかけているんだ。

きっと自由ってこういうことを言うんだろう。

「…そうだ、お前にこれを渡したかったんだ」

そう言ってエースはルフィに紙切れを投げて渡した。

「Aの分も」

「…これ、ビブルカード？」

「ビブ…？なんだそれ。ただの紙切れじゃんか」

「その紙切れがまた俺とお前を引き合わせる。…いらねぇか？」

「いや……いる！」

「出来の悪い弟を持つと…兄貴は心配なんだ」

エース、これのためにここに滞在してたんだ。

こいつなりに、弟を心配した結果なんだろう。

「じゃあ私のも……お返し」

ポケットから自分のビブルカードを取り出し、２つに割いて2人に渡す。

「使うことはほとんどないと思うけど……一応ね」

「おう」

「じゃあ俺はそろそろ行くよ。おめぇらもコイツにゃ手ェ焼くだろうが、よろしく頼むよ…」

「え！？もう行くのか！？」

「まあな。俺は別で用があるんだ。お前に会いに来たのはついでだ」

エースはストライカーに飛び乗った。

「Aはどうする？」

「もう少しいるつもり」

「そうか」

エースはニヤリと笑ってルフィに告げた。

「次に会うときは海賊の高みだ」