上善水の如し［ONE PIECE］ (ページ28)

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第25話ページ28

早速海衛府本部に戻ってきた。

今はニード上等官の部屋にいる。

「それで、私にさせたい仕事ってなんです？」

「アラバスタの調査」

「アラバスタ？」

アラバスタと言えば、サンディ島にある砂漠の王国だ。

確かすごく由緒ある国だった気がする。

「最近どうもアラバスタの様子がおかしいんよ。街中で使用可能水量が一気に減少傾向にあるんや。」

「それは妙ですね。……でもそれ、環境の話ですよね？どちらかと言えばスペア上等官の分野じゃないんですか？」

「せやけどスペアはもう地質調査が終わって、異常なしって判断下してんねん。あいつ曰く、‘まるで誰かが抜き取っているようだ’、やと。水が無くなれば国は滅んでいく。アラバスタ王国は貿易でも主要な役割を担っとるから、なくなられると困るんや」

「環境科学ではお手上げだから、自分で調べる、と……」

「せやな」

「あの、プレイズ上等官もニード上等官も何か勘違いなさってます？私、アーダー上等官の部下なんですが！専門は戦闘だけですよ！？」

そうやってなんでも屋扱いをされても、そこまで成果を出せる気はしない。

「ええやん、別に？色んなところ周るんはええことやろ。どこで革命軍に会えるか分からへんのやし」

違う、そうじゃない。

「うーん、分かりました」

みんなが私を使うのは、使い勝手がいいからだ。

特別この作業が苦手！ということがない。

自分でもなんでもやり始めればそれなりにできる、器用な人間だと思う。

こき使われるのは癪だけど。

私は部屋を出て、自室に戻る。

ここ最近は立て続けに仕事が入っていたから、部屋のベッドで寝るのは3週間ぶりだ。

船で寝るのも悪くはないが、やっぱり人間。

地面が一番落ち着く。

………それにしても、わざわざ本部に戻ってくる必要あっただろうか。

ローグタウンからアラバスタに向かった方が早く行けたと思う。

完璧に無駄足だな。

ベッドでゴロゴロしていると、ドアから不思議な音がした。

ノックではない。

ドアにぶつかった音でもない。

引っ掻いてもない。

形容できない、小さな音。

不思議に思ってドアを開けると、小さな亀が一匹、紙切れを咥えて立っていた(？)

ゴクエン総長の飼っている亀だ。

亀の咥えていた紙切れを取って見てみると、‘今日明日は休みだ。ゴクエン’と書かれてあった。