訪問者 ページ46
『リドルー、すまないが手を貸してくれ』
リビングで本を読んでいると温室から響くAの声に本を閉じて向かう
「どうしたの？」
静かなリビングとは打って変わって植物の鳴き声が響く温室を覗くとAは何も植っていない花壇の前で屈んでいた
『この薬草の株が多くて植えるのを手伝ってくれないかい？』
「この薬草また採ってきたの？」
『いや、以前採ったものの半分だ。残りは全滅してしまったからね』
Aの手には青い色の根に白と黄色の小さな花が咲く株
Aの足元には同じ株が多く並んでいる
これは以前からAが自家栽培しようと取り組んでいる薬草の一つだった
「半分全滅…あんなに苦労して採ったのに…」
『ははは…まぁこれも研究者の性だ』
「苦労して採ったのは僕だよ」
『ん？私も頑張ったが…あぁ…』
真顔の僕にAは言葉を濁らせていく
なぜならこの薬草は真冬の雪降る満月の真夜中の更には断崖絶壁にしか生えない
それを腰に巻いたAの支えるロープを巻いて採ったのは僕だ
二度とやりたいとは思わない出来事の一つだ
『すまない…だがあの採取の仕方は正解だった。魔法を使わずに採った薬草は今までの中で1番土に根付いた。リドルのおかげだありがとう』
「はぁ…で？それは全部植えるの？」
『そのつもりだ』
Aの返事を聞いて僕は温室の入り口にある僕専用の園芸用服を羽織る
「改善点は見つかった？」
『そうだな…水かな…』
「どんな水をあげるの？」
『満月に当てた水にしてみようと思う…満月の日にしか咲かないなら満月がなんらかの効果を出してると考えるといいかと思ってね』
「今度は成功するといいね」
腕を捲る僕を見ながらAは嬉しそうに礼を述べたのだった
株植えも終わりAと一緒に風呂に入る
最早恥じらいは無くなった人間慣れたら強いと僕は思うよ…
お風呂上がりは二人揃ってソファに座りビーズが作ってくれた冷たいフルーツスムージーを飲むのは恒例になった
「ふぅ…」
『ははは…リドルのおかげで早く終われたな』
「お疲れ様でございます。ビーズもお手伝い出来たら良いのですが…」
『ビーズは存在そのものが魔法だからな』
「仕方ないよ」
「申し訳ございません」
『ははは…謝る事は……』
「「？？」」
「A？」
「ご主人様？」
突然言葉を切ったAに僕とビーズは首を傾げるとAは持っていたグラスをテーブルに置き立ち上がる
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兎凪(プロフ) - 更新頑張って〜❤️応援してます❤️ (2021年10月5日 15時) (
レス) @page49 id: b4c6408c6f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続き気になります。更新頑張って下さい。 (2020年11月22日 0時) (レス) id: 26f37e78f0 (このIDを非表示/違反報告)
たたた - お話とっても面白いです！！！けど名前変換がほぼ機能してません！！！ (2020年11月20日 0時) (レス) id: 6bf73bd8a0 (このIDを非表示/違反報告)
由利香(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってくださいね！ (2020年11月7日 12時) (レス) id: 4865437acd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅澪 | 作成日時：2020年11月2日 1時
