ちょっと待ってリドルside ページ28
「………は？」
何を言っているんだこの人は…
『私は風呂も好きでね。東洋で温泉というものに入ったんだ』
「それで？」
なぜか自慢そうに話すA
『それでだ、この家の裏に温泉とまではいかないがそれなりの風呂を作った。毎日ビーズが湯を沸かしてくれてそこに余った薬草とかを入れてみたらこれが更によかった』
「それはよかったね」
『あぁ、広さもある物を作ったから二人で入っても狭くはない』
Aは言い切ると僕の手を掴んだ
『さぁ、リドル私の力作にご案内するよ』
「…ちょっと待って」
『どうしたんだい？あ、大丈夫リドルでも足がつく位の深さしかないよ』
「そんな事心配してない」
僕の答えにAは首を傾げるどうやら本気でこの人はわかっていない
『では何かな？』
「はぁ」
「ご主人様…坊ちゃんはお恥ずかしいのでは？」
『恥ずかしい？何がだい？』
ビーズ余計なことは言わないでくれ…
「坊っちゃんはまだ8歳でおられますが…もう8歳なのです。なのでお主人様のような女性と入浴はおそらくお恥ずかしいのではとビーズは思うのです」
ビーズの言葉に僕は思わず顔を片手で覆う
指の隙間から見えるAは顎に手を当て考えている様子だ
『それは…気がつかなかった…確かにビーズの言う通りかもしれないな』
どうやら納得してくれたようだ孤児院ですらたとえ同性であっても人と入るのは嫌な僕にとってAとなんて絶対に無理だ
『でも…』
その言葉には嫌な予感しかしない
『一度一緒に入ったらもう恥ずかしくはないな』
「その一度がいやだって言ってるんだけど」
『ははは…大丈夫さ人間なれるもんさ』
「………」
『それにリドルの恥ずかしがるところなんて…』
「(この女は…)」
『尚のところ見たいじゃないか』
しらっとAは言って僕の手をもう一度掴んだ瞬間…空間がひどく歪んだ
バチッ！
音の後に襲ってきた激しい目眩に僕はふらつく
「今の…なに…うぅ…」
『姿現しさ。凄いなリドル初めてやる人間は大抵吐くんだが…』
そんな醜態晒すなんてまっぴらごめんだ
というかこうなると分かっててやったな…
しかも立ち込める湯気…ここはもうAの力作の場所だ
『ビーズ、着替えはいつもの所に置いてくれ』
「心得ました。ご主人様」
『さぁリドル…入ろうか』
目眩が治らない僕にAは満面の笑みを向けて言った
…もう…どうにでもしてくれ…
諦めという言葉が僕を支配した瞬間だった
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兎凪(プロフ) - 更新頑張って〜❤️応援してます❤️ (2021年10月5日 15時) (
レス) @page49 id: b4c6408c6f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続き気になります。更新頑張って下さい。 (2020年11月22日 0時) (レス) id: 26f37e78f0 (このIDを非表示/違反報告)
たたた - お話とっても面白いです！！！けど名前変換がほぼ機能してません！！！ (2020年11月20日 0時) (レス) id: 6bf73bd8a0 (このIDを非表示/違反報告)
由利香(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってくださいね！ (2020年11月7日 12時) (レス) id: 4865437acd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅澪 | 作成日時：2020年11月2日 1時
