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『え?お茶会、今日?今から?』

外も暗くなってそろそろ夕ご飯の支度を、と読んでいた本を閉じたら、オーロットに抱えられてわしわし下から登って来たらしい昼間のボクレーとまたしても窓越しに目が合った。キバナは今日はもう帰っちゃったよと伝えたら、なんでよお、となんとも悲しそうなつぶらな目をされた。

今日の今日で誘うことは流石にできないし、そもそも離れた街に暮らすキバナに伝える手段がない。彼が自分のスマホロトムなる赤い電気ポケモンで方々に連絡を取っているのはよく見るが、何がどうなって遠い相手と喋れるのか、未だに分からない。

すっかりその気だったらしいヤバチャ達もいるので、仕方ないかと窓を大きく開ける。オーロットとその沢山の子供たち、ヤバチャたち。ついでに誘われたらしき、そのへんのヨマワルたち。なんだなんだと呆れているドラパルトにすっかり起きてご機嫌のドラメシヤたち。みんなゴーストタイプだから透けてくれれば詰められるけど、そうでもしないと机の周りが一面むらさき色の大所帯だ。昼間キテルグマ退治で頑張ったドラメシヤ達だけは、早々に元気が切れて籠の中で丸まっていた。だから言ったのに。クッキーが食べられないよ。


いそいで作り置きのクッキーと最近メニューに加わったティーローフ、それとキバナに貰った紅茶を用意する。最近すっかり朝の定番になった紅茶はみんなにも評判が良く、よくせがまれるようになった。ヤバチャが紅茶を啜っては自分の中身と対抗するように混ざってしまうので、その時だけ減りが早いのが心配だけれど、みんなの楽しそうな顔を見ていると、なんとも嬉しい。カップに口の先をちょっぴり付けてうっとり楽しむドラパルトをよく見ているキバナも、こんな気持ちなのかもしれない。静かに賑やかに、お茶会ははじまった。


ボクレーが恥ずかしがりながら、昼間のお礼、と頭の葉っぱを数枚くれた。私と、私のおともだちのキバナへ、ということらしい。次来たら渡しておくねと受け取る。お茶にもなるし、人の熱病等によく効く効果があるから、彼の助けにもなるだろう。私が受け取るなり、オーロットの元へ駆け戻るボクレー。その横でお茶とお菓子をわちゃわちゃ取り合っているボクレーの兄弟たち。渡せてよかったね、と優し気な一つ目を向けているオーロットが二人。

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設定タグ:キバナ , ポケモン剣盾 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:aks | 作者ホームページ:http://alterego.ifdef.jp/  
作成日時:2022年10月1日 21時

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