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ほぼ横並びだけど汐恩君が少しだけ前にいてくれて、私は後ろをついていく形で進んでいった
「中、くらっ。」
「…ちょっと寒いね。」
「絶対あそこから人出てくるやん。」
「うわ、本当出てきそう…」
怖すぎて、黙ったまま歩くことなんて出来なかった
この状況を楽しもうと言う発想にも至らず、気がついたことわ目についたものを言葉にして、なんとか気を紛らわせながら順路を早足で歩いた
「なあ。」
「な、何でしょう…」
「翔也ってどんな感じ?」
体感半分くらいは終わったかなと思った頃、汐恩くんにさんな質問をされた
「どんな感じ…とは?」
怖さで頭が回らない分、質問の意味もどんな答えを求められているかも分からなくて正直にそう聞いた
「んー、佐藤さんから見て、翔也はどう見えとんかなって。」
そう言われても結局何て返したらいいかよく分からなくて
とりあえず自分なりに何か答えようと、回らない頭で必死に考えた
私から見た木全くんは…
「…木全くんは最初は不思議な人だなって思ってた。でも話してみると面白いし、もぐもぐ食べてるところは可愛いなって思うし、踊ってる時は…かっこいいなって…」
「ふーん。」
頑張ってそう答えてみたけど、汐恩くんは興味無さそう
聞いといてふーんって…
じゃあ何で聞いたんだって思ったけど、怖すぎてそれを言う余裕はなかった
途中汐恩くんの驚いた声でこっちも驚いたり、何度か叫びそうになったりもしたけど、なんとか耐えて
「ここまっすぐ行ったら出口じゃない…?」
「おー、そうかも。」
やった!あと少しでこれも終わる…!
そう思った時だった
後ろに気配を感じた
嫌な予感がする…
「きゃー!!」
「うわぁ!」
恐る恐る振り向くと人がいて、思わず二人とも叫んだ
怖くて思わず汐恩君の腕を掴んでしまって、そのまま出口まで二人で走って逃げた
「こ、こわかった…」
「あんなんえぐいて…」
やっと外に出れて安心したけど、まだ心臓がバクバクいってる…
「お、仲良くなったみたいやな?」
「え?」
「うーで。」
碧海君に言われてから気がついた
慌てて手を離して汐恩くんに謝った
「ごめんなさい!」
「いや、全然ええよ。まじ怖すぎてそれどころじゃなかったし。」
汐恩くんはそう言ってくれたけどすごく恥ずかしい…
その時私は怖かったのと恥ずかしい気持ちでいっぱいで、木全君にじっと見られていたことになんて気が付かなかった
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咲彩(プロフ) - ○○さん» お褒めの言葉ありがとうございます!めちゃめちゃに嬉しいです…!ゆっくりにはなると思いますが頑張りますので今後もぜひ見てください…!コメントありがとうございました! (2021年8月25日 16時) (レス) id: 56598a6d46 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - Iberis大好きで何回も読ませてもらってて、いつか木全くんでお話書いてくれないかなあって思っていたので嬉しすぎます!!!咲彩さんの書く作品が大好きです!!これからも楽しみにしてます! (2021年8月25日 14時) (レス) id: 9e1f16d5e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲彩 | 作成日時:2021年8月12日 23時