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「…誰って竹内…」
「付き合うんですか」
「いや、まだわかんないけどさ」
多分付き合わないと思うけど。心の中でそう付け加えつつ、明らかに不満気なオーラを醸し出す影山くんについ苦笑いを溢す。
かと思えば、私のジャージの裾を軽く掴んで、
「…俺がいんのにですか」
「え"…」
そんなことを言うものだから困ってしまう。
彼氏と彼女の関係性でもなければ、それを思わせるような仲の良さだってない。ここ最近突然に一方的で猛烈なアピールをしてきているだけで、私が誰とどうなろうが私の勝手なはず。
…なのに、少しだけ胸の奥がキュッとしてしまうのだから不思議だ。
「影山いいぞーもっとやれー」
「…別に付き合おうと影山くんには関係ないじゃん、私のことなんだから…」
「でも嫌です」
「 " でも " でなんでも通ると思ってません!?」
至って普通のことを言っているかのような態度を取るものだから、余計にタチが悪い。
「度合いは考えてって言ったよね!束縛するほどの関係性でもないでしょ」
「……でも…」
「でもは禁止。ほら、そんなこと気にする前に練習しようよ、ね」
休憩終了の合図が大地から伝えられ、各々コートに入っていく部員たちに合わせて私は影山くんの背中を押した。
☆☆☆
「…七海、1週間経ったけど…どう?」
「んー…」
それからしばらくして1週間の時が経ち、昼休み。
薄情ながら、告白のことなど脳内から薄れてきてしまっていた頃に再び竹内に呼び出された。
「 ( 考えたは考えたけど、やっぱり付き合うかってなると… ) 」
影山くんにはあんなことを言ったけど、もともと竹内と付き合うつもりなんて一切ない。なんなら最初から断ろうとしていたところを遮られただけだし。
竹内とはスガほどじゃないけど仲も良いし、少し考えたら何か変わるものがあるかと思ったが、やはりそういった結論には至らなかった。
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ゆり(プロフ) - すっごい好きなお話しです!続き楽しみにしてます! (2023年3月14日 21時) (レス) @page47 id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すっごい好きすっごいなんかもう好き(語彙力とは)、、、最初からここまで一気読みさせていただきました!1話1話の内容がとても面白くて、もっと読みたい!って思えました!!!!! (2022年1月27日 2時) (レス) @page47 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
まじま。(プロフ) - このままここで続けて欲しいですうう、、。ほんとにこの作品すごく好きです応援してます!!!!! (2021年3月23日 11時) (レス) id: 605f4aa0b2 (このIDを非表示/違反報告)
のろ(プロフ) - あわわわわわー!オチが上手くいかない感じがすごい好きです。応援してますー!! (2021年3月16日 22時) (レス) id: 0a1b5d200f (このIDを非表示/違反報告)
ik13ttm(プロフ) - わああああああああああああああついに!!正真正銘の両思いになりましたね!おめでとう!!!もうこの話好きすぎてまだ全然完結しないっていうお知らせめちゃくちゃ嬉しいです…(つД`)ノ (2021年3月16日 15時) (レス) id: a5a5b9bef4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みずかわ | 作成日時:2021年1月18日 0時