押せば成る【影山飛雄】【３】

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…とは言ったものの、



「……すっごいなぁ…」

「A、それ12回目くらいだよ」

「だって凄いから」



私はその日、ずっと影山くんのユース合宿招集が頭から離れずフワフワしていた。

隣で練習風景を見守る潔子ちゃんにツッコまれるが、
ふふふと笑って軽く流す。



潔子「影山、どうにかして」

影山「？なんすか」

潔子「Aが影山のユース凄いってずっと言ってる」

影山「！！」

「調子に乗るから言わないでよ潔子ちゃん」



いとも簡単に本人にチクる潔子ちゃんはニシシと楽しそうに笑っていて、言葉に表すなら天使だ。

潔子ちゃんの言葉を聞いた影山くんは先ほどと同じく目をキラキラさせ、嬉しそうに顔を綻ばせたかと思うとそれを隠すようにバッと片手で口元を覆った。



菅原「 " やっべ、俺の彼女かわいすぎんだろ！！" 」

影山「勝手にアフレコしないでください！！」

菅原「でも合ってんだろ〜？」

影山「………まあ」



顔を少し赤らめて俯く影山くんを見て、「キャーッ」と女の子みたいな声で興奮するスガ。

いつもと変わらずお調子者な恋のキューピッドさんに私は苦笑いを向けた。

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