検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:41,349 hit

17. 台風の目 ページ17





「サム〜お兄ちゃんに辞書かーしてー!!」



そんな声により、一瞬で現実に引き戻された。



「ハッ、侑くん……!!?」

「おわっ!?サムお前なにをこんなとこで女子とイチャイチャしてんねん!!」



西川さんと手を繋いでラブラブしとる(ただの握手)俺を見て、ギョッとする憎い片割れ。

ツムの存在を認識した西川さんは一気に顔を赤くさせ、俺との大事な繋がり(ただの握手)をいとも簡単にパッと離した。



「ってあら?あんたあれやん。なんとかちゃん」

「あっ、Aです!」

「そーそーAちゃんAちゃん」



ほれみい、覚えたでとかカッコつけて言うてたくせに数日経てばこのざまや。ほんまこんな適当男のどこがええねん。

西川さんも西川さんで、名前忘れられてんのになんでそんな目をハートマークにできるん?



「そんな手繋ぐほど仲良うなったん?まあどーでもええけど、とりあえず辞書貸してやサム」

「………絶対嫌や。はよどっか行け」

「え〜でもAちゃんが俺にどっか行ってほしくなさそうな顔してんで?」

「えっ、そんな!そんな、そんな…っ」



憎悪ではち切れそうな俺の心を嘲笑うように、うっとりしとる西川さんを指差して微笑むツム。

西川さんは顔をさらに赤くして恥ずかしがり、否定するように小さく顔の前で手を振っている。

ほんまになんでここまで対応違うん?俺なんかした?
いや、なんもしてへんからこそか。



「あ、ほんならAちゃんに借りよかな〜?」

「しゃあないから俺が貸したるわボケ」

「ありがとさーん!」



「治ちょろすぎ」

「うっさいねん」



光の速度で辞書をツムに渡す俺を見て角名が笑う。

そらそやろ。あいつは教材パクリ常習犯や。
西川さんに迷惑なんかかけられへんわ。


18. 恋に勝る戦なし→←16. 天国での握手会



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.5/10 (135 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
242人がお気に入り
設定タグ:HQ , ハイキュー , 宮治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みずかわ | 作成日時:2021年1月10日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。