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校舎に一旦入り、生徒はみんな外にいるため静かな空気の漂う廊下を移動する影山くん。
きっと保健室に向かってくれているんだろう。
「あの、影山くん」
「はい」
「……あ、えと、ありがとう…」
「いえ」
横抱きされたまま影山くんにお礼を言うと、相変わらずのしれっとした態度で返される。
こんなことになるとは。まさか本当に2年連続でド派手にこけるとは思わなかったが、まず今のこの状況が予想外すぎてこけたことすら忘れそうになる。
「首、持っててください。危ないんで」
「あ…うん」
どうしていいかわからなかった両手を言われた通り影山くんの首に回す。
そうするとなんだか余計恥ずかしくなってきて、つい顔が熱くなった。
「……勝手に、すんません」
「えっ、いやいや!むしろ助かったよ、なんか足動かなくなっちゃったから」
「嫌じゃなかったすか、大勢の前で」
「え…」
ふと影山くんの顔を見ると、前を見ていながらも少し申し訳なさそうに目を泳がせている。
「……気遣ってるんだ、影山くんのくせして」
「なっ…」
「前とは大違いだね」
「…………」
「ふふ」
最初の頃に私が影山くんに怒ってからもう何ヶ月経ったか覚えてないが、あの頃と比べると影山くんの私に対する姿勢はかなり変わった。
それをリアルに実感してしまい、思わず笑う。
「…なに、笑ってんすか」
「ああごめん、そうだ笑っちゃダメだったね」
「………」
「影山くんてほんと私のこと好きだよね」
「好きで悪いですか」
「悪いなんて言ってないでしょ」
また笑いそうになるのを抑えながら言えば、
むすっとした顔で前を見る影山くん。
悪態づくのに素直なところはかわいい。
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a - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/cow0415cow7/ (2020年12月26日 19時) (レス) id: fe7afc1fef (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 読むの本当楽しいです!!ニヤニヤが止まらないのでリビングで家族が居る中読むのには向いてないですね笑笑 (2020年12月25日 16時) (レス) id: 14de8ea307 (このIDを非表示/違反報告)
西川あや(プロフ) - 終始きゅんとニヤニヤが止まりません!2人が付き合うの楽しみにしてます! (2020年12月24日 17時) (レス) id: be0c2f3b60 (このIDを非表示/違反報告)
ki39_nipi(プロフ) - すきっす!!(( (2020年12月20日 6時) (レス) id: d17731a628 (このIDを非表示/違反報告)
ペネロペ - ヤバい…ずっとニヤニヤしてました…影山かわいすぎません?更新頑張ってください! (2020年12月7日 23時) (レス) id: 41f8f60883 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みずかわ | 作成日時:2020年12月1日 13時