五話 ページ6
自分が鬼となってしまったことを、彼に言われるまで知らなかった。
額に違和感を覚えて爪のある手で触れてみれば大きな角がそこにはあった。
「………お前がこの家族を殺したのだろう。それよりお前を鬼にした奴は何処だと聞いている。」
貴「知ら…ない……知らな…いの……ごめっなさ……」
お前が殺した。
彼のその言葉がAの頭の中でリピートする。
確かにそうかもしれない。
姉を見殺しにしたのだから。
そこで、ハッとする。
姉は何処だろうと。
貴「お姉ちゃん…は…どこっですか?可笑しくなって…しまったの……鬼に…なってしまったの……怪我をしているの……」
「…お前の姉はこの羽織を着ていたのか。」
そう言って差し出されたのは真っ赤な羽織と帯のところについた黄色い布。
それは、姉が気に入っていた羽織と帯締めだった。
外に置いてあったものを拾ってきたのだろう。
コクリと小さく頷くと、その男は淡々と言葉を言ってその質問に答えた。
「お前の姉が鬼であり、知能が無かったのであれば太陽の光で消えている。
ここにくる途中では日陰はほとんどなかった、生きている可能性は低い。」
貴「そう…ですか。」
何と無く分かっていた。
あの血を貰った男がすでに消えている時点で、もしかしたらと思っていた。
それでもAの心を締め付けた。
目の前の男はAの頭から足の爪先まで見ると再度Aの頸刀を向ける。
いつも間にかその男はAの目の前まで来ていた。
逃げる意思はAにない。
貴「私の頸ははねてもらって構いません。でも、何個か、お願いがあります。」
「なんだ。」
貴「この家にある…薬用の苗を植えた植木鉢を外に植え替えるのと…家族の埋葬をお願い……してもいいですか。
大切な、人達なんです。」
「!…わかった。他は?」
貴「私を鬼にした、鬼舞辻無惨…と言う人を…どうか……」
Aが言い終わる前に、男は大きく目を見開いて体を揺らした。
どうしたのかと首を傾げるAに男は刀を下げて口を開いた。
「……お前を拘束する。」
男の手刀がAの頸に強く打たれる。
少しも見えなかったその動作にAは困惑しながらもその衝撃に耐えられずに地面に倒れこんだ。
視界が完全に暗闇に染まる直前。ある声が聞こえてきた。
「…すまない。」
その声を最後に、Aは完全に意識を失った。
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むぃろ(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます!修正しました! (2020年10月6日 12時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 十話の所ですが、はが一つ多い所があります。 (2020年10月5日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - さくらさん» わかります!甘いもの好きなのに外行かなくて運動不足になりますし、カラオケに行く予定だったのにコロナのせいで行けなくなりました…早く夏になって死滅してくれれば嬉しいんですけどね(´;ω;`) (2020年3月3日 18時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 食べれましたね!私は外出できないので太りそうです( ;∀;)極度の甘党なので (2020年3月3日 16時) (レス) id: f69b55532e (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - さくらさん» うわ…それは大変ですね!ワーク終わらせたんですか!?完全に存在を忘れていました…(−_−;)明日から投稿ペース下がったらすみませんww (2020年2月29日 23時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぃろ | 作成日時:2020年2月1日 18時