君を、守るよ。２ (ページ12)

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ー向井

『じゃあ、両方の腕、まずは見せてくれる？』

『良い血管さん、あるから探してみるからな～！』

採血台の上に手を出すようにお願いすれば、

「………(うるうる」

じっと採血台に置かれた針やスピッツを見つめる派手な目元はいつの間にかうるうる…

え、嘘やん。

嘘やろ、ギャルよ…………

泣く？泣くのか…………？？

『ごめんな、Aちゃん、ちょっと腕縛るで～…』

駆血帯を巻こうと左腕を取れば、、

「…っゃぁ！！泣」

全力、拒否！！！

まぁ！

なんということでしょう！！！

『ふっかせんせい～！？！？！？叫』

５診にいるであろうふっかさん。

気づいてくれ。

深『なになに、康二どした？』

ペタペタと白衣を靡かせて現れた主治医。

『…(だ、め、そ、う、！！』

目線と口パクでそう訴えれば、

深『おうおう、この兄ちゃんに泣かされたか？わら』

察してくれた様子。

ってちゃうわ！！

(あ、裏にいた照先生も何事かとこちらの様子を伺っている、)

深『んー…Aちゃん、点滴怖い、？』

「…(こくん、」

深『痛いのが、嫌？』

「…ん、(おめめゴシゴシ」

深『そうだよなぁ、痛いの嫌だよな～…』

深『でもさ、、、Aちゃん、しんどかったっしょー…メイクめちゃめちゃ上手いからみんな気づかなかったと思うけどさ、』

深『先生わかるよ、ずっと身体しんどかったもんな、？』

そんなふっか先生の言葉に、

さっきまでの点滴イヤイヤの涙とは

明らかに違うであろう涙をボロボロと流すAちゃん。

キラッキラなメイクで隠したように見えるけれど、

病に蝕まれた身体は、

本当は助けて欲しいとSOSを出している。

深『先生さ、Aちゃんがしんどい原因、見つけたいんだよ。』

ふわっふわの頭を優しく撫でるふっか先生の言葉に、

Aちゃんの心が解けていくのが手に取るようにわかる。