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「…何、で。」



連れ戻された自室に、嗚咽が混じった叫び声が聞こえる。

あの後私は何も咎められず、全てはluzの独断ということになった。





「独りに……しないでよ……」




私を連れ出そうとして、彼はあの人に撃たれた。

私を愛してはくれないくせに、()の旦那という肩書を欲しているだけのくせに。

籠の中の鳥になった私を連れ出してくれる人は、もう誰もいないのだ。




「連れていってよ…ここから…!ねぇ……luz……!」



零れ落ちた声も、涙も。
もう彼には届かないから。
遠い遠いところに旅立った彼の元には。



「もうやだよ…ねぇ…」



彼の形見を手に、追いかけることはできると。
それならもう、いっそのこと全て。
イイコはやめにして、私から全てを奪ったあの人から
全てを奪い返してしまおう。






「今、私も…あなたの元に。」






コツコツと、最後のハイヒールが床石を鳴らす。

その手に黒の銃をもって。

愛していた彼の血で染まったドレスをそのままにして。








「…………………さよなら。」









そのあと聞こえた、2つの、銃声は、誰の?









 
 
******



姫君は気が付いていなかった、いや目を背けていた

愛していた人が、その姿変わることなく過ごしていたことに。


そして、姫君は知らなかった。

彼によって体内に入り込んだ紅によって……

死ではなく、悠久の眠りについたということに。





「愛して、ずっと、愛して。」



「あぁ、これで君をずっと手元に置いていられる…。」









愛していた、不変の彼がその目を紅に変えて、彼女を抱いて屋敷を後にしたことを




この世の誰も、知る由がなかった。

あとがき→←***



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しろもん* - すごく良い作品ばかりで、ひたすら感動していました。私は、最後のお話が好みです。でも、本当にどの作品も素晴らしかったです。 (2020年1月21日 23時) (レス) id: 36bbb34c6c (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - 涙がボロボロで止まらなかったです。描写もどのお話も素晴らしく、Bバージョンもとても楽しみです。 (2020年1月19日 0時) (レス) id: b204067585 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者一同 x他4人 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年12月11日 19時

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