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「 お前また上向いてんの? 」
「 別に寝る時ぐらい仰向けで寝るでしょ 」
「 横向きじゃないと寝れないって言ってたのに? 」
「 覚えてんのきしょい 」
「 …うっせぇな 」
目を合わせないでぽつぽつと紡ぐ会話は、いつも通りな感じがして、安心するのに胸が痛くて、目には涙が滲んで、私はまた思わず上を向く。
そんな私を見て、浦田は少し怒った声で おい、と。
「 上向くなって言ってんだろ 」
「 …いいでしょ別に、もう私の前に浦田はいないよ 」
「 居るだろ、ここに 」
ちゃんと見ろって、と言われて頬に添えられた手は本当にそこに居るみたいに優しくて温かくて。……こんなの私の夢に決まってるのに。
「 居ないよ、これから先だって浦田は私の前には居ない 」
「 …そうだな 」
「 っ… 」
「 でも、上にだっていないよ。死んでから行く先は別に上とかそういう概念じゃないから。だから、上向いたって意味無い
俺はちゃんとAのことを見てるから、お願いだから…前を向いてくれ 」
浦田の言葉を無視することはどうにも私には出来ないらしい。前を向いて浦田を見ると、彼は嬉しそうに笑って それから優しく私を抱きしめてくれた。
「 夢から覚めたら俺はここには居ないけど、ちゃんと前を向いて生きてな 」
「 …また会える? 」
「 …どうだろ、でも、少なくとも言えるのは途中でお前がもう嫌だって諦めたら絶対に会えないかな 」
「 ははっ、厳しい事言うね 」
「 …悪い 」
別に良かった。どれだけ厳しい事でも、結局夢の中だったとしても、浦田の言葉が嘘じゃない感じがしたから、それでいいと思った。
彼の体温に身を委ねて、目をつぶっていると、A?と優しく名前を呼ばれる。
「 俺は、お前に幸せになって欲しい。
俺の分までなんて言わねぇから、ちゃんと前を向いて、幸せを見つけて、生き抜いてくれ 」
「 …うん 」
「 どれだけ泣いたっていいから、いつか心の底から、また笑って 」
「 うん 」
一つ一つの言葉が優しく胸に落ちていって、私は小さい子どものようにこくこくと頷いていた。
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しろもん* - すごく良い作品ばかりで、ひたすら感動していました。私は、最後のお話が好みです。でも、本当にどの作品も素晴らしかったです。 (2020年1月21日 23時) (レス) id: 36bbb34c6c (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - 涙がボロボロで止まらなかったです。描写もどのお話も素晴らしく、Bバージョンもとても楽しみです。 (2020年1月19日 0時) (レス) id: b204067585 (このIDを非表示/違反報告)
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