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そらる*泥棒さん (あまね) ページ21

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カーテン越しに見えた君。
教室の窓を開け、風が一気に入ってくる。風によって飛ばされてしまったプリントを見て「やってしまった……」と思うもプリントを机に戻そうと思う気力はなかった。


「うわっ、プリント落ちてんじゃん」


後ろを振り向くと、そらるさんが教室に入って来ようとしていた。窓側にいる私よりも、飛んでいってしまったプリントにはそらるさんの方が近い。

それなら、と


「拾っておいて」

「嫌だよ、なんで俺が……」


彼に頼んだ。

彼は嫌だよ、とそう言いながらも、拾ってくれる。私は彼の優しさが好きだった。けれど、その彼の優しさは私にとって毒でもあった。

ほんっと、毒でしかない……



私が窓を開けて飛ばしてしまったというのに、彼一人にプリントを拾わせるのも酷いか、と思い結局私も手伝うことにした。プリントに書かれた名前と照らし合わせながらそれぞれの机の上に乗せて、わからないものは教卓へと置いた。


一度教卓に置いたプリントを手に取り、彼に近づく。


「これ、誰の字かわかる?」

「あー……うらたくんとかじゃない?」

「にーてるけど、うらたくんの机の上にさっきプリント置いたし……あっ、他の人の全部配り終わったらわかるんじゃない?」

「確かに、じゃあさっさと配ろうぜ」


わざわざ話しかける必要なんてなかった。
彼と話すきっかけを作りたかっただけ。別にこんなことしなくとも話しかけられたかもしれないけれど、ただなにかきっかけが欲しかった。

配り終えてから、
プリントがおいてあってない机を探す。


「あった、こいつだ」

「お、ほんとだーありがとう」


とんっ、と机の上に最後の一枚をのせた。

お互いなにも話さない。
私は特に話せる話題が思いつかないのだ。話せる内容を見つけるとしたら、明日のみんなの反応教えてね、って頼むだけでそれ以外はなにも思いつかない。


でも、言葉はなくても居心地は全く悪くなくてむしろ気持ちが良いくらいで、私はずっと変だ。


「Aさ、彼氏いるって聞いたけどマジ?」


いつからか、そんな噂が流れていた。
一回も、まだ、誰とも付き合ったことなんてなかったはずなのに。


でも、それはきっと君のせい。

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しろもん* - すごく良い作品ばかりで、ひたすら感動していました。私は、最後のお話が好みです。でも、本当にどの作品も素晴らしかったです。 (2020年1月21日 23時) (レス) id: 36bbb34c6c (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - 涙がボロボロで止まらなかったです。描写もどのお話も素晴らしく、Bバージョンもとても楽しみです。 (2020年1月19日 0時) (レス) id: b204067585 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者一同 x他4人 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年12月11日 19時

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