第43話 ページ44
コナンside
「……やっぱり」
結果から言って羔野さんは“黒”だった
事件が解決してから少し経った会場の隅
周りには絶対に敬語を使っている羔野さんが
英語とはいえ、砕けた口調で喋っている所を見た
相手は海外の執事
それくらいの友人なら居るだろうとは思ったが
少し違和感を覚えて聞き耳を立てていたのが当たりだった
＿＿RUM＿＿
＿＿BOSS＿＿
軽い会話の中で聞こえてきた単語に
思わず喉が鳴った
それは、黒の組織の幹部の名前だ
実質NO.2にして、組織を頭脳·情報面で支えているとされる＿＿
しかも、話の流れからして
相手の執事は羔野さんの事を“RUM”と呼んでいた
頭の中で、羔野さんとRUMを“＝”で結ぶ
何となく、腑に落ちてしまったのが癪に障った
先程の事件で羔野さんが見つめていたのは犯人の男
恐らく羔野さんは
俺がまだ答えに辿り着いて居ない内にも
そのトリックを解き終わっていた
それ程の能力を持ちながらも
周りに公表しようとしないのは
“羔野A”として目立ちたく無いからなのか
＿RUMである事を悟らせない為に＿
だとすれば
黒の組織の事実上でのトップで
その会話を共有している執事も
組織に関わっている事になる
羔野さんにも直接聞いてみたが
これには確信を持って良いだろう
“仕事仲間だ”と答えた時の意味深な笑みは
明らかに男が組織の仲間なのだという事を告げていた
そう考えた所から、今までの会話の中身が
恐ろしく物騒なものに変わった
【あの会社の社長が最近稼いでる】
(じゃあ少し揺すってみようか)
【あそこ、後暗い噂が立ってる】
(簡単に落とせそうだな)
少し生々しい世間話にも納得がいった
あれは執事同士の世間話ではなく
ただの情報交換だ
組織の財力を高める為の
鈴木財閥は世界的に見ても交友関係が広い
それ故に沢山の情報が混在する
だからこそ、あいつらにとっては格好の餌場に成りうる
…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2032人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＿名前を変える必要がある | 作成日時：2019年6月23日 16時
