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第30話 ページ31
…
なんて内心荒ぶっていると、先程の店員さんが戻ってきた
「すみません、追加で十円頂けますか？」
あ、えあぁあ、はい
10円ね、銅の茶色いやつね、分かるようん
硬貨の中から十円玉を引っ張り出して
掌ごと受け皿に押し付ける
『ご馳走様でした』
俺はそれだけ告げて、扉を押した
…
その時の俺は気付いていなかった
今世の俺には、時空を操る能力がある事を
結局、それに気づいたのは翌日のパーティー会場だったが
コナン君は特に俺を怪しむ素振りを見せなかったので
あれは事故だったのだと自己完結しておいた
この分じゃ、執事と云う肩書きが無い状態の俺の事は覚えてもいないだろう
俺は研二さんと陣平さんと出会ってから
主要人物には特有のオーラがある事を知ったのだ
つまり、オーラの無い俺はちょっと顔がいいモブとしか処理されないのである
多分、俺の座っていた椅子にコナン君の盗聴器が落ちてたんだろう
コナン君ってよくポアロに行ってるみたいだし
俺の着ていたシャツの長さ的にも、座面に落ちていたので間違い無い
そして俺はそれの上に座ってしまい、シールとおともだちになったと云う訳だ
めでたしめでたし
以上、勝手に早とちりして勝手に焦っていた俺の話でした
…
あ、そう言えばテンパって十円玉ごと店員さんに渡しちゃったけど
盗聴器の残骸はちゃんと廃棄してくれただろうか
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作者名：＿名前を変える必要がある | 作成日時：2019年6月23日 16時
