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第166錠 ページ31

沖矢さんの車に乗ってどれぐらい経ったのだろう

車内は静寂に包まれてる

今更だけど、沖矢さんの前で泣くのは何度目だろうと思った


昴『…フッ、貴方はいつも泣いていますね』


A『っ!べ、別にいつもじゃないです』


昴『以前は泣き疲れて眠ってしまいましたけど、今日は大丈夫ですね』


A『っ…』


どうしてだろう、大丈夫と言いたいのにすぐに言えなかった

今また1人になったらどうだろう、また泣いてしまうんだろうな


A『…ぁの』


昴『何ですか?』


A『っその、まだ私…』


昴『…帰りたくないんですか』


A『っ//…』


澄ました笑みを見せる沖矢さんを睨みつけた私

何か分かってるような、見透かしてるような顔で少しムカつく


昴『せっかくのお誘いですから、少し遠回りしましょう』


A『っ//はいっ!?誘うとかそういうのじゃないですから!』


昴『フッ、やっと見れましたよ、貴方の顔を』


A『えっ…』


確かに今沖矢さんと目を合わせて話している

ずっと素っ気なく話してたり外を見ていたから、変に気を使わせてしまった


昴『まあでも、貴方の泣き顔を見るのは嫌いじゃありませんよ』


A『ッムカ)沖矢さんって趣味悪いですね』


昴『そうでもないですよ』


前言撤回、やっぱり沖矢さんってムカつく

そう思いながら私はまた窓の外を見る


大きな橋の上を通っていて、観覧車で見えたビルの街並みはさっきより綺麗に見える


遠く見える月も雲間からでも綺麗に見える


A『(安室さんも…降谷さんも見てるかな…っ)』


こういう夜に月を見る度、きっとまた思ってしまう

あの時素直に言葉にしていたら、あんな分かれ方しなくて済んだはず


でもやっぱり本当の真実を話して欲しかったと思う

もう会うことはないんだ、いつまでも考えていたって仕方ない


昴『Aさん、明日の予定は?』


A『特には無いですけど…っ?』


昴『フッ、それは都合が良いです』


丁度赤信号で止まり、沖矢さんの手が私の頬に触れてびっくりした

指で涙の跡を拭ってくれたけど、何だか私の知ってる沖矢さんとは違う雰囲気を感じた


昴『…君に頼みたい事があるんだ』


A『っ…』










最近寒くなりましたね!
私はマフラー新調して、ぬくぬくと過ごしてます

そして早く緋色編に(_ _).。o○

でも話数が足りるかな…!

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作者名:リイナ | 作成日時:2021年11月2日 12時

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