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「ほれタオル」
「ありがとう」
ひとまず博士の家に戻り、服部に言われ洗面所で顔を洗ってきた彼女を一瞥したあと、俺に視線を戻すと、灰原は冷たい目で俺を見た。
「で、彼女を泣かせたわけね」
ソファに向かい合って座り、吐き捨てるように言い放つ灰原に「ああ…」としか言えないでいると、灰原ははあと大きく溜息を吐いた。
「貴方って本当…」
そこまで言いかけたところで、後ろで笑い始めたAさんの声に俺と灰原はそちらに視線を向けた。
「服部くん、これ、手拭くタオルだよ」
「ん？なんかアカンかったか？」
「アカ…服部くんって、本当、バカ」
「あ？もっぺん言ってみ」
Aさんの頬を抓る服部に、「いひゃい」と笑いながら抵抗するAさん。その様子を見て、灰原はソファから降りるとAさんの手からタオルを取った。
「顔を拭くタオルはこれよ。もう一回洗い直してきなさい」
「ありがとう、哀ちゃん」
頬をさすりながら洗面所へ戻っていったAさんを見送り、灰原は俺と服部をそれぞれ見てもう一度大きく溜息を吐いた。
「本っ当、ダメな男達」
「…悪かったな」
もう一度顔を洗い終えて戻ってきたAさんが、俺の隣に腰を降ろした。
「そ、それで…なんだけどさ」
「うん？」
「蘭には、このこと…」
「言わないよ」
ニコッと笑うその目元はまだ赤く腫れていた。
「蘭ちゃんが危ない目に遭ったら、私も嫌だから」
「そ、そういう意味じゃ」
そこまで言ってハッとする。俺は彼女を、この危険な世界に巻き込んでしまったのだ。目の前で優しく笑うこの人を。
「おっなんじゃ新一、来て…」
「…平気よ博士。彼、彼女を巻き込むって決めたみたいだから」
博士がAさんを見て顔を青くしたが、灰原の言葉にホッとした顔を見せた。わざとらしく嫌な言い方をした灰原を見ることもできずに俯くと、「コナンくん」とAさんが俺を呼んだ。
「私のことは気にしなくていいんだよ」
その時、彼女の笑顔に異様な静けさを感じたと同時に、彼女の生に対する異常な執着の無さを見てしまった気がして、思わず彼女の手を掴んだ。そうでもしないと、目の前から消えてしまう気がしたからだ。
「ぜってえ守るから」
「あ、ありがとう…？」
いつものように困ったように笑う彼女のこの手を、絶対に掴んでみせると思ったのだ。
どうか、あなたの命だけは、そうやって笑って誤魔化さないでほしいという一心で。
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mikitty(プロフ) - めんたい先輩さん» コメント失礼します。東都も東京もコナンには出てきます。場所は東京、建物などの名称には東都が使われます。例えば、コナンが住んでいるのは東京ですが、東京タワーは東都タワーとなる感じです。その他に考えられる可能性は商標登録です。 (2020年2月12日 2時) (
レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - るみさん» コメント失礼します。東都も東京もコナンには出てきます。場所は東京、建物などの名称には東都が使われます。例えば、コナンが住んでいるのは東京ですが、東京タワーは東都タワーとなる感じです。その他に考えられる可能性は商標登録です。 (2020年2月12日 2時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
めんたい先輩 - るみさん» いえいえ全然！ご指摘ありがとうございます！私自体原作から最近離れてしまっているので知識不足の分際で好き放題書いてるので…申し訳ないです (2019年9月11日 16時) (レス) id: 53be17d8fe (このIDを非表示/違反報告)
るみ - あ、棘のある言い方してすみません。最新刊でも景光は東京の親戚に引き取られたと書いてあるんですけどねえ。原作読まない人ばかりなのでしょうか(笑) (2019年9月11日 15時) (レス) id: 7e2c3c7e2b (このIDを非表示/違反報告)
めんたい先輩 - るみさん» アッやっぱり東京であってるんですか…？最初東京にしてたんですけど、ご指摘受けまして東都にしたんです。不快なお気持ちにさせたようですみません… (2019年9月11日 15時) (レス) id: 53be17d8fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めんたい先輩 | 作成日時：2019年5月7日 0時
