短・中 編１

犬猿同期と伊吹くん 2 ページ10

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ソファに座ったまま、俯いて両手をいじりながら話す伊吹は少し寂しそうにも見えた







伊「最初の配属先の交番でまた一緒になって、2人で頑張ろうな！って言いながら毎日楽しかったんだよ。」




志「あぁ」




伊「でもしばらくして、2人でひったくり犯を追いかけた時俺がちょっと無茶やって始末書書くハメになってさ。そしたらあいつブチ切れてきて、そっから俺のやり方にいちいち反発してくるようになって必要最低限の会話しかしなくなってそのままアイツは異動になった。」




志「んで、お前がここに異動してきたらAが1機捜に居たと」




伊「そう」




志「ふ―ん････いい子だけどなぁ、A」




伊「志摩には猫かぶってるだけだろ」





志「俺結構タイプだしなぁ」




伊「は？」






仲良かった頃を懐かしむみたいに話していた伊吹に俺がそういうと、慌てて顔を上げて立ち上がった






志「今度メシでも誘ってみるかな」




伊「おいおい志摩本気？お前あんなのがタイプな訳？」




志「可愛いじゃん」




伊「アイツはやめとけって！」




志「別にお前には関係ないだろ？」




伊「･････関係は無ぇけど･････」








言葉と表情がちぐはぐで
捨てられた犬みたいな顔をした不器用な相棒の姿に思わず口角が上がる






そこへお待ちかねの人物の声が聞こえてきた





『ちょっとこれは無理ありません？』



桔「全然」



『ここまでやんなきゃダメですか？』



桔「周りから浮いたらバレちゃうでしょ。似合ってるしいいじゃない」









その声に一瞬伊吹と目が合い、同時に振り返る







志「････わぉ」



伊「･･････」









志「今時の若者に見える」



『この年でなかなかキツいもんがあります』



桔「Aは年齢の割に肌もツヤツヤだし全然20代に見えるわよ」



志「あぁ。同い年とは思えないな」



『もう私の事はいいですから、早く終わらせましょう』






隊長と一緒に褒めていると気まずさからか無理矢理話を進め、細かい最終打ち合わせを終わらせる









―――――･･･





桔「じゃあよろしくね」



『はい』



伊「はい」



志「伊吹、ちゃんと周りを見ろよ」



伊「分かってるよ」



『暴走すんなよ』



伊「お前もな」









-ｲﾒｰｼﾞ図-







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