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「………A?ちょっと待てる?」
「……え、うん」
「泣きそうな顔しないでよ」
「…してる?」
「してる。報告あげたら休憩入るから、少し話そう」
「うん、待ってる」


泣きそうな顔をしていたらしい私を気にかけてくれたジョンデ君。優しさが染み渡る。ジョンデ君だけにでもいいから本当の気持ちを聞いてもらおうかな。


事務所で待ってると仕事を振られそうだから、ラウンジで待ってようと扉へ向かおうとすると、出ていったと思っていたベッキョンが扉の前に立ちこちらをじっと見つめていた。


「お…おつかれさま」


なるべく顔を見ないように、避けながら事務所を出る。横をすれ違うときに柔らかいベッキョンの匂いがふんわり香って、胸がドキドキした。




今日は車で来てるからって助手席に私を座らせてくれたジョンデ君は、運転席で菓子パンを食べていた。


「ごめんね休憩なのに」
「んーん?全然」
「ありがと…」


食べ終わった袋をぐしゃっとして、コンビニの袋に入れていく。


「あいつに何言われた?」


議題はもちろんこれって分かってたけど、単刀直入過ぎて一瞬頭が真っ白になった。


「………いつもと一緒だと思ったんだけどね。嫌いって言われて、まあ…避けられてる」
「…へぇ」
「へぇって…」
「あー…さっきね?ベクから聞いたんだけど、Aのピラティスに男性も来るじゃん。当たり前だけど」
「当たり前だね」
「その…気のせいかもしれないけど。すっごい見てるんだって、Aのこと」
「…そりゃあ見本だもん」
「俺もそう思うけど…あいつはそれが気になるらしい」
「……ん、なんで」
「…知らないよ。自分で聞いたら?」
「なんて聞くの?口きいてくんないのに」
「…とにかくさっきはそういう話してたから。泣かないで大丈夫」
「…泣いてないけど」
「唇噛み締めてたよ?」


こんな風に、って真似するジョンデ君。眉毛があり得ないくらい下がってて、それこそ今すぐ泣きそうな顔だ。思わず笑っちゃうと肩をぽんっと叩かれた。


「先に出て」
「…あ、うん。ジョンデ君はまだ車にいる?」
「もう行くよ。ただバレるとヤバいから」
「え、ヤバい?」
「ほら早く」
「わっ、あ、ありがとう!」


急かされて車から下り、まだ中にいるジョンデ君に手を振って自分も駐輪場に向かった。結局私の気持ちは話せなかったけど、さっきのモヤモヤが解消したから気分は少しだけ軽い。

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設定タグ:EXO , 短編   
作品ジャンル:恋愛
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こむ(プロフ) - ひなさん» ツイッターですが、してないんです〜!なんだか手に余してしまいそうで……でもそう言っていただけるのならいつか作ってみたいなぁ〜と思いました(*^O^*)その際は是非フォローお願いしますね!!笑 (2018年6月10日 14時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ひなさん» ひなさま(´;ω;`)めっちゃ嬉しいです〜(´;ω;`)そんな風に言っていただけるとは…ベッキョンお待たせしました!ご期待に添えることはできましたでしょうか(*^^*)?こちらこそ、いつも読んでくださるひなさまが大好きですよぉ〜!本当にありがとうございます!! (2018年6月10日 14時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - ウラツク離れしている作者さんがいる中で、更新してくださるこむさんが大好きです、、!いつもステキなお話ありがとうございます( ; ; )質問なのですが、こむさんはツイッターをしていらっしゃったりしますか?お話のアカウントがあればフォローさせて頂きたいです! (2018年6月6日 18時) (レス) id: c290ea6bde (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - こむさんのお話大好きすぎます( ; ; )終わってしまったのが悲しいです、、、( ; ; )いつもベッキョンのターンを今か今かと待っていたので、最後にきて本当に嬉しかったです、、! (2018年6月6日 18時) (レス) id: c290ea6bde (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - さあやさん» コメントありがとうございます!(*ToT)嬉しいです〜!セフンのお話の続き、思ってたのと違うし長い!ってなりそうなんですけどそれでも良いですか…?(´;ω;`) (2018年6月6日 18時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こむ | 作成日時:2018年5月4日 20時

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