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第5話
あれから毎日のように呼び出しを食らい、私も私でバイトとか用事がなければホイホイ行ってはそれなりのことしてて、完全に堕ちてしまったと思う。すみません、端からみれば尻軽ですよね。
「A最近ずっとつけてるけど」
隣でパックジュースを飲みながら自分の首もとを指差すビニ。そこは多分キスマークの場所で、私が嫌だと言っても絶対そこにつける。
「ここだけ神経死んでる気がする」
「彼氏できたの?レイ?」
彼氏かぁ。そうだったらどんだけいいのかな。こんな複雑な思いをせずにいられたのかな。横に首をふる私を見て、ビニは大きなため息をついた。
「どっちが違うの?彼氏?レイ?」
「彼氏の方」
「ふーん、レイにつけられたってことはあってるんだ」
ふむふむ。とかいってにやつく彼女はとても小悪魔みたいで可愛い。もしかしたらビニもレイ君と一夜過ごしたのかな。そしたら勝てる自信ない。
「Aらしくないね。そういうの嫌いだったじゃん」
「うん、今も嫌いだけど…呼ばれたら嬉しくてつい」
「かーわい!好きなの?」
「困ったことに」
遊ばれてるって分かってても、私は恋愛初級だからつい気持ちが入っちゃって、いつのまにか本当にレイ君に恋しちゃった訳です。レイ君にしてみたら簡単に釣れた女だろうけど、いつも優しくてかっこよくて、やっぱりヤリチンっぽさは消えないけど相性はいいと思うし。そして近くにいたらあの香りがして落ち着く。あーあ、バッドエンドしか待ってないのに
「ばかA」
「マジでそう思う」
「早くどうにかしな」
「早かろうが遅かろうがどうにもなんないもん」
「…A、ちょっと聞いたんだけどね」
ビニは私の耳元に口を寄せる。息がかかって少しくすぐったい。
「私のサークルの先輩、レイから切られたんだって」
「…え、うん」
「うん?!待って、あんた意味わかってる?」
「私もいつかは同じ目に…凹むし!」
はぁぁぁ。こんな深い溜め息はじめて遭遇した。でも本当に凹んだ。実は一昨日くらいにレイ君本人からそれを聞いて、嬉しいどころかお前もいつか捨ててやるって言われてる気がして、泣きながら帰ったんだもん。
「先輩にはついてなかったなぁ」
「…え?」
「何でもなーい、ひとりごと」
えっと、それってどういうこと?
そんなとき、タイミングよく彼から連絡が。ビニが笑いながら聞いておいでよというので、今日もホイホイ行くのである。
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こむ(プロフ) - ひなさん» 遅くなってスミマセン!コメントありがとうございますー!わーん( ;∀;)嬉しさ爆発です!!続編できるの、時間がかかるかもしれないですが…(*´ω`*)やる気出ました!ありがとうございます! (2018年1月21日 14時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 執事セフンたまんないです!きゅんきゅんがとまりません( ;__;)また続編よみたいです、、! (2018年1月14日 2時) (レス) id: c290ea6bde (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ジュンミさん» はじめまして!めっちゃ嬉しいお言葉ありがとうございます!!そんな風に思っていただけるなんて感無量です!いつかお答えできるように進展させようと思います、脳内で! (2017年12月17日 23時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
ジュンミ(プロフ) - はじめまして!すごく好きなお話です!!セフン との話長編で読みたいです!!!!! (2017年12月11日 0時) (レス) id: 02379d08bf (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます!そのお言葉をいただけることがもうスーパー嬉しいです!! (2017年12月10日 1時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こむ | 作成日時:2017年11月21日 0時