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第4話
帰ってすぐに食事係に餃子の話をした。興奮する私に戸惑っていたけど最終的には今度作ってみますと約束をしてくれた。
セフンが用意してくれたお水を飲んでいたら、兄が自室から降りてきて目の前に座った。周りの使用人やセフンもが頭を下げた。
「楽しそうだね」
「うん、セフンと居酒屋に行ってきたの」
「セフンと?ふぅん」
「餃子が美味しくってね、今度作ってもらうの」
「A作ってみたら?」
「えっ!そっか、そうする」
そうよ、あの味を知っているのは私だ。それに自立するなら料理もできなきゃ。兄は自分でお茶を淹れて自室に戻っていった。私も淹れようとしたらセフンが準備を始めた。
「じ、自分でできる」
「俺の仕事です」
「…お兄ちゃんは自分でやってた…」
「ギョンス様とお嬢様は違います」
私はやりたくてもやらせてもらえないことも多い。
翌日、セフンと一緒に餃子の材料を調達しに行ったけど、セフンがほとんど1人で済ませてしまった。正直何もわからなかったから助かったけれど、こういう機会がないと学習もできない。生活に必要な知恵は勉強では得られない。1人でしたいのに、1人で出来るようになりたいのにその道ははるか遠くにある。
どっさり買った材料をキッチンに持っていくと、食事係が何人もやってきて袋からどんどん出していく。
「ま、ま、待って!」
「いえ、お嬢様はあちらでお待ち下さい」
「違う!自分でしたいの」
「え…?」
「なんでそんなに驚くの…1人で出来るから…」
「しかし…」
「…俺がいますので、お構い無く」
私の言葉は素直に聞かないのに、セフンが一言そう言えば周りはささっと散っていく。
「では始めましょう」
「セフンは見てるだけでいい」
「…作り方、ご存じなんですか?」
「調べた」
「そうですか」
レシピサイトで調べた。色んなレシピが載っていて目が回ったけれど簡単という言葉がついているレシピを見ることにした。
手順通りに具はつくれた。センスはあると思う。餃子の皮を取って具を入れて閉じていたら、そこまで黙ってみていたセフンが餃子の皮を1枚取って手際よくひとつ作り上げた。
「上手だね」
「執事見習いですからこのくらいできないと」
「そうなんだ」
「お嬢様、具が多すぎです」
「えぇ、このくらいじゃなかったっけ?」
「それじゃ閉じませんし一口じゃ食べられません」
「………」
「このくらいで、こうやって閉じます」
「分かってる…」
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こむ(プロフ) - ひなさん» 遅くなってスミマセン!コメントありがとうございますー!わーん( ;∀;)嬉しさ爆発です!!続編できるの、時間がかかるかもしれないですが…(*´ω`*)やる気出ました!ありがとうございます! (2018年1月21日 14時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 執事セフンたまんないです!きゅんきゅんがとまりません( ;__;)また続編よみたいです、、! (2018年1月14日 2時) (レス) id: c290ea6bde (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ジュンミさん» はじめまして!めっちゃ嬉しいお言葉ありがとうございます!!そんな風に思っていただけるなんて感無量です!いつかお答えできるように進展させようと思います、脳内で! (2017年12月17日 23時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
ジュンミ(プロフ) - はじめまして!すごく好きなお話です!!セフン との話長編で読みたいです!!!!! (2017年12月11日 0時) (レス) id: 02379d08bf (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます!そのお言葉をいただけることがもうスーパー嬉しいです!! (2017年12月10日 1時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こむ | 作成日時:2017年11月21日 0時