sehun『攻防』 ページ36
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第1話
生まれたときからそういう環境だったので、自分は普通だと思っていた。でもそうじゃないことに気付いたとき、恥ずかしくてたまらず反抗心で自分１人で生きていけるように努力をしてきた。
家に多くの使用人や執事がいる家庭に生まれ、私には執事見習いの世話係兼ボディーガードがいる。私の成長に合わせて人が変わっていき、最近この男がついた。背が高くて細い、顔が異常なほど整った奴。名前はセフン。年は知らないけれど見た感じ同世代くらいだと思う。執事見習いだけど、仕事は執事とほとんど一緒。
大学へ行くための準備をして部屋から出ると当たり前のようについてくる。玄関で靴に履き替えて頭を上げると先にドアを開けて待っていた。
「ここで大丈夫。１人で行く」
「…いえ、危ないですので」
「本当にいいから」
送迎も仕事のうち。だけど大学に行くだけなのにいかつい黒塗りの車で登校なんて恥ずかしくて嫌。だから私は公共機関を使う。毎朝頑なに拒んでいるのにセフンは少し不満気な顔をしてじっと見てくる。私についていない間は休めるはずだから、休んでって言われたら嬉しいんじゃないのかしら。少なくとも前のボディーガードは嬉しそうだった。
「では、お帰りの際はご連絡を」
「自分で帰ってくる。本当に大丈夫だよ」
「……」
「行ってきます」
家の敷地から出て思わず大きなため息がでた。やっと"お嬢様"ではなくなる。
「お嬢様！」
…せっかくお嬢様じゃなくなったというのに秒で引き戻される。お嬢様という呼ばれ方は好きじゃない。でも体は慣れているから疑いもなく反応してしまい、後ろの方から聞こえて振り返ると涼しい顔で走ってくるセフン。
「なにか忘れてた？」
「駅は反対側です」
「え…うそ…いや知ってる」
「３日に１回は間違ってます」
「…そんなことない」
「大学までついていきます」
「いい」
「ついていきます。それが俺の仕事です」
…また間違えてしまった。１人で大丈夫と見栄を張った結果に恥ずかしくてしょうがない。私の言葉を無視してキリっと決めるその顔は憎たらしいほどに整っている。私のバッグを勝手に受け取ってうっすら微笑み手を差し出してくる。
「行きましょう」
「接触禁止だよ」
「あ、つい」
私は自分の環境に嫌悪して足掻いているけど、１人で生きていけるほど成長できていない。
そして、そんな私を世話する執事見習いのセフン。半人前が半人前に仕えるなんて笑える。
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こむ(プロフ) - ひなさん» 遅くなってスミマセン！コメントありがとうございますー！わーん( ；∀；)嬉しさ爆発です！！続編できるの、時間がかかるかもしれないですが…(*´ω｀*)やる気出ました！ありがとうございます！ (2018年1月21日 14時) (
レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 執事セフンたまんないです！きゅんきゅんがとまりません( ；__；)また続編よみたいです、、！ (2018年1月14日 2時) (レス) id: c290ea6bde (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ジュンミさん» はじめまして！めっちゃ嬉しいお言葉ありがとうございます！！そんな風に思っていただけるなんて感無量です！いつかお答えできるように進展させようと思います、脳内で！ (2017年12月17日 23時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
ジュンミ(プロフ) - はじめまして！すごく好きなお話です！！セフン との話長編で読みたいです！！！！！ (2017年12月11日 0時) (レス) id: 02379d08bf (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます！そのお言葉をいただけることがもうスーパー嬉しいです！！ (2017年12月10日 1時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2017年11月21日 0時
