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「なんでだめ?」
「えっ…だって一年生はチャニョル先生がまさか鬼なんて知らないしただかっこいいって人気出るかもしれないし好きになっちゃう子もいるかもしれ、え、もちろん今年も鬼キャラで行くよね?」
「鬼キャラって言うのやめろよ」
「鬼キャラでいってね?今まで以上の鬼!悪魔でもいい。不必要に厳しくして嫌われて欲しい」
「いや何てこと言うのお前」
「私に好かれてるだけで先生は十分!」
「すごいね、さっきまでいじいじしてたとは思えないな」
はーすごいすごい、そうわざとらしく感心しながらおかずを口に入れた。私も必死になりすぎてかなり自信過剰な台詞をぶつけてしまったけど、実際そうであってほしい。
先生は口の中のものを飲み込むと、お茶をごくごくと喉に流し飲む。
「ところでいつまで俺のこと先生って呼ぶの?」
「えっ……」
「まだ先生?」
「ちょっと待ってくれます!?」
「はい」
テーブルに置いてある透明のコップにピッチャーに入ったお茶をドバドバ入れ、一度全部飲み干して、また入れ直してテーブルに静かに置いて、ひと呼吸入れる。
「チャニョルって呼べってこと!?」
「あ、いや、呼べって言ってるわけじゃないけど…」
「無理!」
「今まで何の許可もなく呼び捨てしてたくせに」
「そのチャニョルと今チャニョルって呼ぶのは全っっ然意味が違って…」
「まあ…せっかく先生って呼んでくれるようになったからちょっと寂しい気もするけど」
ずっと先生に反抗的で、厳しい先生を嫌ってて、むしろチャニョル先生って呼ぶことに抵抗があった。だけどいつしかチャニョル先生って呼ぶのが当たり前になって、むしろチャニョルって呼び捨てにすることが今じゃ照れくさくて恥ずかしくて胸の中がひたすら痒くなってる。“人の名前を呼ぶ”ってことにこんなにドキドキするなんて初めてだ。
「チャニョルさん……」
「そう来る?」
「だってさぁ…」
「わかったわかった、それでいいよ」
大人な感じで言ってる先生もなんか少し恥ずかしそうに笑って、私をからかう事もせず、食べかけの日替わり定食に意識を戻してひたすら口に運んでいる。
「じゃあチャニョルさん……」
「ぶっ…ごめん。なに?」
「卒業したし、私のこと彼女にしてくれる?」
「んー?それはちょっと一回待って」
「え!?なんで?卒業までずっと我慢してたのに!」
チャニョル先生は箸を持った手の人差し指を口の前で立てた。あ、興奮して声がでかくなってしまった。
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こむ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます!パスワードがかかった作品は公開終了となっており、お教えしておりません。すみません! (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - そらぬこさん» 攻防のときから!長らくお付き合いくださりありがとうございます!このあとの話も更新しましたので、まだお付き合いいただけるようであれば、ぜひ読んでくださると嬉しいです!ありがとうございますー! (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - omatsuさん» 遅くなってしまい申し訳ありません…。最高のひとことをありがとうございます! (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - よーこさん» よーこさんありがとうございます!めちゃくちゃ遅くなってしまいすみません。あたたかいコメントに胸が熱くなりました;; (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ギョンちゃんさん» 大変遅くなってしまいましたが、こちらこそ読んでくださってありがとうございますー! (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こむ | 作成日時:2019年10月16日 19時