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そんな時、どこからか視線を感じた。
ふと先生の向こうにいるキムジョンインを見やる。

先生の横顔越しに目が合い、ひゅっと心臓が縮んだ。


えっ、なに……?


キムジョンインはすぐに問題集に視線を戻して『うーん…?』とチャニョル先生の解説に眉を寄せている。


「Aは?わかった?」


チャニョル先生がこっちを向いた。
全然話を聞いてなかったけどこくこく頷くと先生は穏やかに笑う。



「……今日も図書室で自習?」



問題集を閉じ、キムジョンインに差し出しながら問いかけてきた。



「そうですけど、よく知ってますね」



キムジョンインは先生の目を見ず、なにか含みのある言い方を返す。



「先生とは図書館で会ったこともないですよね」



少しドキリとした。図書室で自習をしてるって私が先生に言ったから、だから知ってる。でも言わなかったら、先生が生徒一人一人がどこで何をしているかを知る由もないはずなのだ。



「……あんまり遅くなるなよ。暗いところは危ないから」



だけど先生は普段通りのトーン。動揺してる様子もない。



「暗くなったらちゃんと送ってるんで大丈夫です」



それは事実だけど、ここではややずれた返しだと思う。椅子をデスクに収納したキムジョンインが『行こ』と私を通りすぎて職員室の出口に向かう。私も慌てて椅子を戻して後ろを追い掛けた。



職員室を出る前に振り返ってみたら、チャニョル先生はすでに他の先生と話していた。



図書室へ長い足で進むキムジョンインの背中に『足長っ』と声を掛けても振り向きはしない。いつもは歩幅を合わせてくれるのに、と思いつつ早足で隣に並ぶと、階段の手前で立ち止まった。



「Aちゃんと話聞いてた?本当にわかった?」
「え?」
「鬼の顔ばっか見てた」
「いやいやいや……」
「言っとくけど顔に出てるよ。全部」
「な、なにが?」
「好きって。駄々漏れ」



そう言い残し、トントンと階段を下りていく。



「さっきから何怒ってんの!?」



何かムカついて、遠ざかる背中に向かって大きい声で叫んだけど無反応で余計ムカつく。でもダダ漏れは気を付けなきゃいけない。ぱちんっと両手で頬を叩き、深呼吸をしてから階段を駆け下りた。







・・・




「──……ですか?」
「……」
「……おーい、チャニョル先生?」
「あっ、はい、え?」
「え?って。ははは。聞いてましたぁ?忘年会の話」
「ああ、忘年会……はい、行きます」
「………え?」
「え?」

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こむ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます!パスワードがかかった作品は公開終了となっており、お教えしておりません。すみません! (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - そらぬこさん» 攻防のときから!長らくお付き合いくださりありがとうございます!このあとの話も更新しましたので、まだお付き合いいただけるようであれば、ぜひ読んでくださると嬉しいです!ありがとうございますー! (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - omatsuさん» 遅くなってしまい申し訳ありません…。最高のひとことをありがとうございます! (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - よーこさん» よーこさんありがとうございます!めちゃくちゃ遅くなってしまいすみません。あたたかいコメントに胸が熱くなりました;; (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ギョンちゃんさん» 大変遅くなってしまいましたが、こちらこそ読んでくださってありがとうございますー! (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こむ | 作成日時:2019年10月16日 19時

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