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「まっ、待ってください、ここってジュンミョン先生のお家ですか?」
「じゃなきゃなんで鍵持ってんだよ」
「えっ、だったらホテルでいいです、ビジネスホテルに行きます」


そうだよ、最初からそうすればよかった。ジュンミョン先生を巻き込む必要無かったのに気が動転してた。冷静になればわかる私のおかしな行動。

今更恥ずかしくなってエントランスから走って逃げると『A』と呼び掛けられて、いつもの癖なのかピタッと足を止めてしまった。

ジュンミョン先生は笑顔で人差し指で私を呼ぶ。


「A、ハウス」


こんな時にハウスとか冗談じゃない。


「もう、いいから来いって」
「いいです本当にさようなら」
「来いつってんのが聞こえない?何回も言わせんなっていつも言ってるよな?」
「………」


ジュンミョン先生の家はその地位に見合っている。とはいえ、めちゃくちゃ広くて綺麗すぎて驚きが隠せない。弁護士資格があるかないかでここまで違ってくるのだろうか。ジュンミョン先生はキッチンに入って水を飲んでいて、その頃私はテーブルの上に置いてある置き手紙を読んでいた。



『ジュンミョン様
本日の買い出しの分です。ご確認をお願いします。
P.S.トイレットペーパーが普段よりも安かったので
多めに買っておきました。
ミタ』



こ、これは、家政婦さんからのお手紙でしかない。だからこんなに部屋が異常なまでに綺麗なのだろうか。弁護士になれば家政婦さんを雇うことが出来るんだ。


「こら、勝手に見るな。訴えるぞ」


手紙を奪われてコツンと頭を叩かれた。


「お前の部屋あっち」
「え?」
「一緒に過ごしたいなら過ごしてやってもいいけど」
「………」
「黙るな」


もう一度コツンと叩かれ、頭を触った。急に来た客人に用意できる部屋があるなんてすごい。案内してくれる家主の後ろをついていくと、マットレスが置いてあるだけの寂しい部屋にたどり着いた。


「あとで布団持ってくる。トイレもバスルームも勝手に使っていいから」
「あ……ありがとうございます…」
「じゃあおやすみ」
「えっ、あ、待って……ください」
「何?」
「………」


咄嗟に引き留めてしまったけど、何を言おうと思ったんだろう。


「何って聞いてんだけど?」
「えっと〜…」
「………一緒にいて欲しいの?」


ジュンミョン先生は言い淀む私を笑いながらからかってくる。でもその言葉が一番しっくり来た。


「そうですね。いて欲しいです」

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設定タグ:EXO , 短編   
作品ジャンル:恋愛
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こむ(プロフ) - ににさん» ににさま、コメントありがとうございます!大変遅くなってしまってすみません(T_T)すほさんのお話気に入っていただけたようでとても嬉しいです!私も好きなのでつい書いてしまいました。笑 今のところ続きはご想像にお任せしておきますね……(#^.^#) (2019年5月8日 0時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
にに(プロフ) - スホさんのお話、大好きです。こういう闇的展開。悪魔だと思ってた人が天使で、その逆もしかり。続編があったらいいなと思います。 (2019年4月20日 11時) (レス) id: 4f645da4fc (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - きな子さん» うえ〜ん;;ずーっとお付き合いいただき、本当にありがとうございますー!!めちゃくちゃ嬉しい…こちらこそ感激です(*ToT)こんな出会いや人がいる世界に生きたいものですね。妄想の世界っていいなぁ(笑)これからもお付き合いのほど何卒よろしくお願いします*^^*! (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - 雲丹さん» 雲丹さんセフンペンさんなのですね!おめでとうございます(#^.^#)セフンペンさんに読んでいただけて嬉しいです〜;;でもベッキョン先輩と付き合いたい(笑)セフンちゃんと付き合ったってくださいヽ(´ー` )ノ!笑 こちらこそ、いつもありがとうございます雲丹さん!! (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - マさん» コメントありがとうございます〜!幼馴染みセフンお読みいただけて嬉しいです;;そして相撲部屋のぶつかり稽古がツボにハマったようで……それを聞いて笑ってしまいました(^o^)笑 ベッキョン先輩の稽古は優しいんでしょうね^.^!お付き合いありがとうございました〜! (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こむ | 作成日時:2019年4月7日 23時

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