: ページ41
.
「そうなんだ。ドライブかぁ…楽しそう」
「お嬢様もドライブをお楽しみになりますか？お車を手配しますが」
「あ、いいの。今日は海でのんびりする」
「…失礼しました」
「ううん、ありがとう」
いいなぁドライブ。お買い物とか食事とか、いっぱい楽しみあるよね。私も行きたいなって思ったときにハッとした。
私、一緒に行動する人いないんじゃない…？
お兄ちゃんは彼女さんとか役員の人とか色々いるし、両親は言わずもがなだし、使用人の皆も使用人の仲のいい人たちでまわるだろうし…
やっぱり私だけ、誰もいない。
わぁ…悲しい。
一人になりたいってたった今まで思ってたけど、誰かと一緒にいたくても誰もいないとなると、途端に悲しい。
そんな衝撃の事実に気づいてぼーっと突っ立ってたらジョンインが様子を伺いに顔を覗き込んできた。
「…あ、ぼーっとしちゃった」
「大丈夫ですか？」
「うん…」
海は広くて大きくて、青くて静かで穏やかで、見てるだけで救われるような気がする。それと同時に私ってちっぽけだなとも思わされる。
「帰ろっかな…」
「……もういいんですか？」
「うん」
ベッキョンがいたら、楽しかったのかなぁ。
ホテルのオープンテラスでトロピカルティーとか飲んじゃって、端から見たら満喫してる私。実際は何も考えてない寂しい女が一人だ。
「…座っていいよ」
「いえ」
立ったまま待機してるジョンインに座れと言ってもきかない。
「お願い。一人寂しいから付き合ってほしい」
「……では」
と、隣の席に座る。だけど姿勢は崩さず微笑んで待機。まあ…座ってくれただけでいいか。セフンが順応しすぎなだけだよね。
「ジョンインって普段どこにいるの？」
「会社でギョンス様のお手伝いをしてます」
「それなのに私の世話係？」
「…一応、訓練は受けてますのでご安心ください」
「そうなんだ…別に心配してるわけじゃないよ」
「そうですか。ならよかったです。ありがとうございます」
柔らかい笑顔が本当に素敵。
こんなところで私の相手をしてるの勿体ない。どうにかして解放してあげたいけど、思いつかないや。
飲み干したトロピカルティーのグラスを持って席を立つとすぐに受け取られた。
「あ、いいよ」
「ご遠慮いただかなくて結構ですよ」
「遠慮してる訳じゃ…」
「はい？」
「……ううん。ありがとう」
綺麗な夕陽が沈んだのを見届けて、初日の宴会へ顔を出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 936人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こむ(プロフ) - ぺとみさん» なんだって…？！書いている身としてすごく嬉しいお言葉をありがとうございます。いいんですか？私の好きにしちゃっても！なんでもいただいてくれるのなら、心置きなくやらせていただきます！笑 不味かったときは何も言わず笑っていてください(* ^ー゜)笑 (2018年7月30日 0時) (
レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ぺとみさん» すみません嬉しさのあまり本音が；ω；でも催促してるわけでも急かしてるわけでもすみませんなんて言わせるつもりもないんです〜；ω；ぺとみさまの気が向いた時にいただけるのが一番嬉しいです。私の言葉はあまり気にしないでくださいね；ω；ありがとうございます！ (2018年7月30日 0時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ジュンミさん» ジュンミさま〜！こんな嬉しいことを伝えてくださって、本当にありがとうございます(*ToT)心の底から嬉しいです。なので、遠慮はお捨てになって！くだ！さい！控えないでください！(笑)いつでも待ってます^^占領できてます！？よかったねセフン！ベクの追従を許すな〜！ (2018年7月29日 22時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
ぺとみ(プロフ) - 親指動かすのにドキドキします…！！この3人を好きに料理しちゃってください！（笑）どんな料理でも美味しくいただく気満々です(^-^)v爆笑 (2018年7月29日 22時) (レス) id: 39faf143c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぺとみ(プロフ) - 待ってた〜！！なんて嬉しいお言葉…(;o;)いつもしよう！とは思うんですけどなんかすごく考えちゃって投稿のボタン押せずに今日に至ります…すみません…(;o;)でもいつもさくさく進むんだけど、単語の一つ一つが面白いくらい主人公の感情に繋がってて (2018年7月29日 22時) (レス) id: 39faf143c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こむ
| 作成日時：2018年7月9日 19時
