世界で一番小さな戦争#2

34 ページ25

.



そろそろ場所変える？って誰かが言い出すとそうだねーって皆が終わりへ向かっていく。私は二次会に行けないから、できればこのままでいて欲しかったけどそんなこと言えるはずもなく。


隣にベッキョンが戻ってきて「次行く？」って聞いてきて首を横に振った。だけど本当は行きたいよ〜…。



「……うん、わかった。ごめん、俺Aちゃん送ってくから帰る」
「え〜ベク行かないの？」
「うん。また今度」
「しょうがないね〜…じゃあAちゃんもまたね」
「あ…はい、また…」



なのに、あっさり別れが来てしまった。ベッキョン、なんで帰るとか言うの？と訴えたけど全く気にしてもらえなかった。私も首を横に振ってるから、何も言えないけれども…。



お店の外へ皆が出て、次の場所を探してる。決まったみたいで皆が遠くへ歩いていってしまった。はぁ…終わっちゃった。飲み会楽しかったなぁ。



「Aちゃん。戻ろう」
「え……？」
「二人で飲み直そう」



余韻に浸ってたらもう一度お店の中へ戻ることになった。さっきとは違う、小さな個室へ通されて座るとベッキョンがメニューを開いた。



「ここで飲んでたら、二次会でもバレないでしょ？」
「………」
「もうちょっと遊んでたいんだよね？俺と二人でもいい？」



うう、分かってくれてた…！ウンウン！って大きく頷いたらアハハって声をあげて笑った。



「ごめんね、結構離れちゃって」
「……ううん、全然」
「嫌だったでしょ？」
「いや…？」



ベッキョンはコーラ、私はさっきからずっとビールを飲んでる。今日は皆がビールを飲むから空気を読んでレモンサワーは飲めなかった。



「早くAちゃんとこ戻ろーって思ってたんだけど」
「……」
「嫌な思いさせたんじゃないかと…」



嫌な思いかぁ。それってナミちゃんが言ってたやつ？
そうだとしたら全然。楽しそうで、みんなの中心にいるベッキョンが見れて嬉しかった。



「いやな思いしてないよ？」
「…ほんと？強がんなくていいよ」
「ほんとに。楽しそうだったから私も楽しかったよ」
「………あ、そう？なら、まあ、よかった…」



ニコニコしてるけど、なんだか少し濁ったニコニコだ。私変なこと言ったかな…？



「家連れて帰りたい」
「……」
「………だめ？」




ダメなこと全然ない。行きたい、一緒に帰りたい。だけど首を縦に振れない理由がある。何も言えず、どうしようって目を見て考えてたらベッキョンが腰をあげて顔を近づけた。

:→←:

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す