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その時、ガラ、と音を立てて教室の後ろの入口が開く。
浮所くんも動きを止めてそちらを振り向いた。
「え、何、」
扉を開けたところで目を見開き固まっているのは那須くんだった。部活終わりに教室に立ち寄ったらしい彼のことが、今は救世主に見えた。
乱れた衣服の私とその上に覆いかぶさっている浮所くん。
ただならぬ事態だということはきっと伝わるはず。
「……失礼しました、」
けれどどうやらそれを合意の上か何かと捉えたらしく、謎の気遣いで扉を閉め出て行こうとする。嘘でしょ。
「、待って！」
呼び止めて、離れた位置から目線で助けを求めた。
警戒しながら近寄る彼が改めて私を見る。
事態のおかしさに気付いたのであろう瞬間に顔色を変えた。
「浮所、おい、」
駆け寄り、浮所くんの肩をぐいと掴んだ。
浮所くんはその手を振り払って、私の上から退くとその場に立ち上がる。
「っお前、何やって…」
混乱しながらもとりあえず、助かったと。
安堵する私以上に那須くんが動揺していた。私と浮所くんとを何度も交互に見てただただ戸惑っている。
恐怖でめちゃくちゃになっていた鼓動が少しずつ落ち着いていく。
この状況に今何を言えばいいか、どうすればいいか、熱を帯びた頭で考えようとするけれど何も出てこない。
「なんで？」
立ち尽くしたまま、浮所くんが言う。
「なんで作間なの？」
そこから私を見下ろして。
その視線にもうさっきまでの鋭さはなかった。眉を八の字に下げ、震えを帯びた声は濡れて響いた。
へたり込んだままの私の腿に何かが落ちて、スカートに染みができる。
「…ずっと、優しくしてきたのは俺なのに、」
浮所くんの涙だった。
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よぴ(プロフ) - パスワード教えていただきたいです（ ; ; ） (2022年1月17日 19時) (
レス) id: 5c59f9ee59 (このIDを非表示/違反報告)
いち - パスワード教えてください⁉️ (2021年9月28日 13時) (レス) id: 358f9d64ec (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - こむぎさんの作品いつも楽しく読ませていただいています。この作品を最初から読みたいのですがパスワードを教えていただくことはできますか？ (2021年5月5日 2時) (レス) id: 3b72a96203 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - どの作品も大好きです！いつもキュンキュンしながら読ませて頂いています。これからも楽しみにしています。 (2020年5月3日 21時) (レス) id: e6fd1d12b5 (このIDを非表示/違反報告)
陽依(プロフ) - 切なくて切なくて、涙が出てきました。このお話大好きです。これからも楽しみにしています。 (2020年5月3日 19時) (レス) id: 5f72745e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2019年7月21日 14時
