baby I love you

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それを聞いて何人かは悶えていた。面白かった。
「優太くん」とAが服の裾を引っ張る。せっかくいい気分になっているみたいだし、まぁ俺もこれだけAをみんなから可愛がってもらえて悪い気はしないので仕方ない。はいはい、と財布を持って出かける準備をしていると、それに対して「俺一緒に行くよ」と言ったのは神宮寺だった。



「俺今日あんまりAちゃんと遊べなかったし、岸くん家主なんだからここにいなよ」
「…え、あ、マジいいの？ありがとじゃあ頼む」



意外ではあった。でも助かるので、素直に甘えることにする。「Aちゃん一緒に行こ」と、神宮寺がAの頭にぽんと手を乗せると、Aとしては神宮寺にはまだ慣れないのか、黙って一つ頷いた。



二人が出て行ってからまた30分ほどして、玄関のドアが開く。



「ただいまぁ」



手を繋いで帰ってきた。仲良くはなったらしい。そのままAは神宮寺の隣に座る。「Aちゃんアイス何買ってきてくれたん？」と廉が尋ねると、Aはふふと笑う。



「んー…、いろいろ！」



何となくだ。何となくなんだけど、声音が浮かれているような気がする。買ってきたアイスをテーブルに並べた。


「じんくんはどれがいい？」



神宮寺は「Aちゃんはどれがいい？」と反対に聞き返す。Aが少し考えクッキーの入ったバニラ味を指差せば、「じゃあ俺も同じのにしよう」と言って、二人で顔を見合わせて笑っていた。
なんだろう。本当に何となくだけど、…浮かれてる。
「なんで神宮寺にだけ聞くの？」と紫耀が突っ込んだその時、Aは顔を上げてはっと静止し、みるみるうちに頬を赤くさせた。
なんだ？



「…なんでもない！」



なんなんだ。
なんだその全然なんでもなくなさそうな様子は。
なに耳まで赤くしてんだ。



「お前ら買い出し行ってる間なんかあったの？笑」と廉がにやにやしながら聞いた。何かってなんだ。「えーあやしいー」と海人が囃し立てる。いやいやいや、おかしいだろ。
神宮寺は隣のAに耳打ちをした。見つめ合って、それから神宮寺がしーっと口元で人差し指を立てる。Aは赤い顔のまま一つ頷く。



「何話してんだよっ！」



思わず立ち上がると他の４人が笑った。誰かが「まぁまぁお義父さん」なんて言いやがるから「誰がお義父さんだ！」と声を荒げた。いやお義父さんではあるけれど神宮寺のお義父さんではない。冗談じゃない。




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