・糖分多めなやまとさん ページ43
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A side
作業が終わった30分後。
時計台の下で待つやまとの元へAが向かう。
やまと「...良かった来てくれて」
「さすがに何も言わずに帰ったりしないよ」
やまと「ありがと。あっち座ろ。」
近くのベンチに並んで座る。
やまと「俺めちゃくちゃ考えたんだけど分かんなくて...何か嫌なことしちゃったならはっきり言って欲しい」
「やまとはみきちゃんでしょ？もういいんじゃないの？」
やまと「は？なんで？俺こんなにAちゃんって言い続けてるのに伝わってない？」
「ならなんでお揃いのキーホルダーしてたの？」
やまと「それは...デートの記念って言うから付けてあげないと可哀想かなと思って」
「可哀想だと思うならそのままみきちゃんと居てあげれば？」
こんないやらしい言い方しか出来ないのは何でだろう。
やまと「だからっ、なんでそうなんの。てか自分はどうなの？ゆうたとペアルックでプリクラなんか撮っちゃって？ゆた氏しか勝たん！ってか？」
「は？なんなの？喧嘩しに来たなら帰るから」
帰ろうとするとあたしの腕を掴んで引き止めるやまと。
やまと「ちょ、待ってよ。喧嘩したい訳じゃないから。ごめん、ヤキモチ妬いた」
「っ.....」
あたしもこんなに素直に言えればいいのに。
やまと「俺とは全然喋ってくれないのにその理由も分かんないしゆうたとはどんどん距離近くなってるし、1人で勝手に焦ってた」
「うん...」
やまと「悪いことしたなら謝るから無視とかやめてよ。結構傷つく」
悲しそうな声に顔を上げると、あたしの腕を掴んだまま必死なやまとと目が合う。
「やまとがお揃いのキーホルダー付けてるの見て、あ、あたしじゃないんだ。みきなんだ。って思ったらイライラしちゃって避けてた。ごめん」
やまと「なにそれ可愛すぎるんだけど」
ぎゅっ
「えっ、」
気づけばやまとの腕の中に居て。やまとの香水の匂いに包み込まれて抱きしめられてる事に気づいた。
やまと「ごめん、みきちゃんの目の前でだけ付けとけば喜ぶかなと思ってそのまま外し忘れてた。都合の良い事しようとした俺が悪いね、完全に。」
俺の一番はずっとAちゃんだよ、なんて耳元で言われるもんだからきっと今のあたしは耳まで真っ赤だ。
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作者名：yyf | 作成日時：2021年8月31日 6時
