・徐々に近づくやまとと... ページ38
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やまと side
デートの時間になり、みきちゃんとふたりで作業場を抜ける。
Aちゃん、今日のデート結局来てくんなかったな...
あれ以来話もできてないししつこく行き過ぎるのもダメなのかなと思って今日は一切話しかけなかったけど視界に入るAちゃんは相変わらず綺麗で、他の男に取られるなんて考えたくないのにどうにも出来なかった。
みき｢...とくん！やまとくん？？｣
｢あ、ごめん。なに？｣
みき｢考え事？｣
｢ぼーっとしてた。せっかくみきちゃんと二人なのに失礼だね。ごめん、｣
みき｢ううん！来てくれただけで嬉しいから！あ、着いたよ！！｣
みきちゃんと来たのは、チームラボってやつ。
中に入ると凄い幻想的な空間で、思わず感動した。
｢すっげぇ...｣
みき｢ね、めちゃくちゃ綺麗...｣
こんな時でも、隣がAちゃんならいいのに、なんて思ってる俺はきっと末期なんだ。
みき｢やまとくん！この中で追いかけっこしよう！｣
やまとくん鬼ね！なんて言いながら球体の中を逃げ惑うみきちゃんを必死に追いかける。
｢あ、つーかまえたっ！うわぁっ、｣
みき｢きゃっ｣
｢っ、まじごめん｣
みき｢いいからこのままでいて？｣
物陰に隠れるみきちゃんを見つけて捕まえようとしたら勢い余って抱きついてしまって、急いで離れようとしたら前から腕を掴まれて離れられなくなった。
所謂バックハグってやつ。
｢さすがにこの体制はドキドキするんだけど｣
みき｢あたしにもドキドキしてくれるの...？｣
｢いや、さすがにするよ。女の子だもん｣
みき｢Aちゃんにしかドキドキしないのかと思ってた｣
｢...........｣
せっかく忘れかけてたのに、思い出した。
みき｢ごめん、あたし余計なこと言ったよね。...やまとくん？｣
気づけば腕の力が強まってたみたいで、みきちゃんに心配される。
｢俺、なんかしたのかな｣
みきちゃんに相談するなんて絶対に間違えてるはずなのに１回言い出すと止まらなくなる。
｢普通に話したいだけなのに今日も一言も話せなかった｣
みき｢うん｣
｢ゆうたやひゅうがとはあんなに楽しそうなのに｣
みき｢うんうん、悲しいね｣
黙って聞いてくれるみきちゃんに一瞬揺らいでしまった、男として最低な自分が見えた。
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作者名：yyf | 作成日時：2021年8月31日 6時
