千夜一夜絵巻～二人の国王～ (ページ28)

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極悪非道な男ページ28

A「ん……チャンミン…じゃない。」

目が覚めて隣を見れば見知らぬ男。

A「…どゆこと？」

状況が掴めず頭真っ白。

A「てか、ここどこ…？」

ベッドがほぼ占領しているこじんまりとした部屋。
窓は丸い小窓が二つ。
小窓から外を覗いてみた。

A「え…海？」

揺れる海面に月が映っていた。
なんで…海の上？
傍らに眠ってるこの男は誰…？

「ククク…呑気に外見てる場合か？」

ドキッ？！

声のする方を見るとゆっくりとその姿が月明かりに浮かび上がって驚いた。

だって……っ

A「み…やぎ…くん？」

キュヒョン「みやぎ？あ～、そんな名前使ってたっけ？お前に名前聞かれて、たまたま読んでたマンガからテキトーに取って言った名前(笑)」

A「宮城リョータじゃないの？！」

キュヒョン「そんな取って付けた名前あるか？気づけよバカ(笑)」

バカと言われても返す言葉がない。
バカだから何でも信じて殺されそうになったんだから…

A「だったらなんでそんなバカな女とつき合おうと思ったわけ…っ？」

キュヒョン「ん～なんでだろ？俺も不思議(笑)金があるわけでもなし、利用価値なんてなかったのになぁ。フッ…情が移っちまったのかな？」

A「ふざけないでっ！」

キュヒョン「ふざけてなんか(笑)お前いい女だぜ…男を喜ばせる才能がある…あのチャンミンとかいう王様もお前に…ククク…どハマりしてたもんな(笑)」

A「宮城くんっ？！チャンミンに何かしたの？！」

キュヒョン「(肩をすくめて)何も。お前をさらうのに少ーしだけ眠ってもらっただけ。我が主テミン王がお前を連れて来いって言うからさ(ニッコリ)」

A「テミン王…？」

キュヒョン「夜の王とお前の男の弟。そこに寝てるだろ？」

このベッドに寝てる見知らぬ男がユノとチャンミンの弟…

ドク…ドク……ッ

月明かりに映し出されたテミン王の姿。
乱れたシーツの上に横たわる体がこの上で何をしていたのか物語る…

キュヒョン「(耳元で)悪いな…お前にもちょっと眠ってもらった…お前はアイツらと交渉する大事な切り札なんだけど…どうしても味見したいって言うからさ…けど初めてだったみたいで、俺が手取り足取り教えてやったよ…満足してたぜ？」

A「ひど…っ？！」

キュヒョン「シー…ッ。騒ぐな。起きちまうだろ？眠らせたのは俺の優しさだ(ニッコリ)記憶にない方がいいだろ？」