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この廃墟に来た時点では明け方だったようで、日が昇り始めており薄暗くも太陽が照らされており、曇りのような天気だったが、時間が経ったのか既に日は落ちかけており、夕焼けがビルを照らしていた。しかし、小型タブレットを開くと、時刻は7時47分と表記されている。どうやら、現実世界と仮想世界での時間の進み方はどうやら違うようだ。だが、体感的には1日を過ごしている気がするだけ。このまま行けば、1日目は誰も何もしない。夜月明莉だけでなく、仮想世界につれてこられた皆がそう思った。

 しかし、現実はそううまくいかない。夜月明莉の耳に、がしゃん!! と響くような音が聞こえ、思わず耳をふさぐ。まるで、鉄骨が落ちたようなそんな音だった。どうやら近くからの音らしい。何か起きたのでは、と思いビルから飛び出した。

 あるビルの一角を曲がると、壁に寄り掛かっている人影が目に入った。その人物には落ちてきたであろう鉄骨がお腹に突き刺さっていた。仮想世界だからか、血は出ていなかったものの、痛そうなことには変わらなかった。近づいてみると、二つ結びの少女が目を見開いて壁に背を預けていた。状況を見るに、突然襲われたんだということがわかる。

「この子って……」



 慌てていちごちゃんは小型タブレットを取り出して左側にスライドして『おれんじ』の名前をタップする。画面には、目の前にいる少女の姿をしたアバターが現れた。いちごちゃんの目の前にいるのはおれんじという人物だ。画面に映し出されている状況の横を見ると"死亡"と書かれていた。すると、ゲームマスターの声が脳内から聞こえてきた。

「皆サマ、仲良しこよしは、よしてください」

 しかし、今までとは違い、感情を持っているように聞こえた。なぜなら、怒っているような口調でゲームマスターは話しているからだ。

「誰も行動を起こさない場合、こちらから1人、毎日ランダムで攻撃させていただきます」

 このゲームマスターの声は、17人全員に届いている。皆、"そんな"と思った。殺そうとしている、していないに関わらず、誰も行動を起こさなければ誰か1人は死んでしまう。処理が追いつかない皆の思考に、更に追い打ちをかけてくるゲームマスター。

「それでは気を取り直して。櫛田まなか様の死亡が確認されました」

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作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/utahakiku08/  作成日時:2019年7月7日 14時

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