secret◯ ページ10
発作が治まるまで待ってもらい、ひとまず落ち着いて水を飲んでから千冬に向かい合い話す。
「あのね、今から言うこと。どうか、どうか最後まで聞いてほしい。お願い。話は後でいくらでも聞くから。」
「……」
＿＿そして全てを話した。
最中なんども反論しようとする千冬をなだめて、最後まで全部。私のことを話した。
万次郎くんに黙っていることも、黙っていてほしいことも伝えた。
だから今度は私が千冬の話を聞く番。
「病気のことは分かった。さっきの発作のことも、容態についても。それと、姉ちゃんの気持ちも。分かった。理解したよ。
…でもっでもっ！！なんで教えてくれなかったんだよ！！
俺に迷惑かける？迷惑だって思う訳ねぇだろ！！俺の気持ちを分かった気になんな！
ｯ黙っていられるこっちの気持ちなんかｯ…！俺の気持ちなんか！！全然考えてねーじゃん！！なんで、なんでわっかんねーんだよ！！！」
泣きながらそう叫ぶ千冬をみて、私は自分が思ってるよりも何倍も傷付けてしまったことに今更気が付いた。
私のことで心配をかけたくなくて、ただ何も知らずに笑っててほしくて。
……話すことが怖くて。
千冬の気持ちを分かった気になって、逃げていた。
その結果、沢山傷付けてしまった。
こんなの姉失格じゃない
「ごめん、本当にごめん…！！」
.
千冬side
そう涙を流して謝る姉ちゃん。
ちがう、俺…俺は、そんなことが言いたかったんじゃない。
確かになんで黙ってたんだという怒り、悲しみはある。
でも俺が言いたいのは、俺が言いたかったのは……
「わがままなの…っ」そう泣きじゃくる姉ちゃんはまるで幼い子供のようで、俺は堪らず抱きしめた。
マイキーくんはきっと、俺が話して欲しかったと思うのと同じように思うはず。
それに持病があるからって引いたりそれが理由で捨てたりしないし、きっと受け入れてくれるだろう。
だからマイキーくんのためにも、姉ちゃんの将来のためにも、本当は俺が打ち明けてしまったほうがいいんだろう。
でも、俺は姉ちゃんの背負ってきた重みと覚悟やその想いを聞いて、無理やりでも俺が話してくるから、なんて酷なことは言えなかった。
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赤葦めみ(プロフ) - うささん» ほんとですね、間違えてました。ご指摘ありがとうございます。 (7月26日 19時) (
レス) id: 0c20475d91 (このIDを非表示/違反報告)
うさ - 場地圭介だと思うんですが‥？ (7月26日 16時) (レス) @page4 id: 1d55f73a3a (このIDを非表示/違反報告)
赤葦めみ(プロフ) - あるふぁさん» わぁ！ありがとうございます！！ゆっくりになりますが次もそう言っていただけるように頑張りますね(^^) (2021年9月11日 13時) (レス) id: c358019a94 (このIDを非表示/違反報告)
あるふぁ - 切なくて、優しい物語だと思いました。次のお話も、楽しみに待っています。 (2021年9月8日 20時) (レス) id: ca158273c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めみ | 作成日時：2021年9月8日 16時
