10年経っても愛してる【不動明王】part３

おみくじ ページ42

「＿＿＿＿＿っ」




たかが占い師の言葉に酷く心が揺らいだ

なんだか流して聞いては置けない、っと脳が言っていた




「話はそれだけ…デートの最中なのにごめんなさいね」


「あっいえ…デートでは……」




取りあえずお礼だけ告げて、足取りが重いままヒロトの所へ向かった






「おまたせ」



「ううん、それより占いはどうだった?」



「ぁ……」





こんな事、ヒロトに言えない…




「まぁどこにでも言いそうなこと言われたかな〜…」


「そうなの?お金とか請求されなかった??」


「ヒロトが心配するような事は…さっ、早く神社いこ??」

「Aがそういうなら…」






無理やりにも笑顔を作って元の雰囲気に戻そうとする


その後中々晴れない気分のまま神社へ到着




ヒロトとの会話も全然頭に入ってこなかった




(ヒロトに申し訳ない…)



「観光ランキングナンバーワンなだけあって、結構人が多いね〜」


「そうだね」





確かに週末という事もあって人がたくさんいる

油断したらヒロトと簡単にはぐれてしまいそうだ




(そういえばここの恋おみくじがよく当たるんだっけ)




観光パンフレットにそう載っていた気がする

当然ながらその恋おみくじを求めた女性の観光客が多いが、チラホラと男性観光客もいる






「あ、あそこみたいだよおみくじ」


「ちょっと距離あるね」





人がいるから尚更そう感じる




「わっ…!」





ドンｯっと後ろから押されよろけると





「っと…大丈夫?」


「! ありがとう」





とっさに受け止めてくれたヒロトの大きな手に肩が包まれる




「やっぱり人が多いと危ないね、気を付けよう」


「うん…」





そのままヒロトは私の手を握ったまま、おみくじコーナーまで連れて行ってくれた



(なんか、とっても複雑だ…)




ヒロトは善意でやってくれていたんだろうけど、そうしている間でさえ私は明王の事を考えていた


酷い女だ

この手が明王のものだったら…と、考えてしまった自分が恐ろしい。






「おみくじどうだった?俺は吉だった」


「ぁっ、まだ見てなかった」




慌てて紙を開いて見ると




「わっ、大吉じゃん」


「そうみたい…」

(占い師さんの言葉を気にしていたけど…)




こっちのおみくじでは大吉出たし、いいことがあるのかもしれない


そう思って内容を読んでみると



(え……なんで…?)





そのおみくじの内容は、とても大吉とは思えないことが書かれていた

上の空→←占い師

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

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