【d!】殺人鬼、脅威を拾う。 (ページ21)

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「はじめまして、A様の専属メイドを務めさせていただきます、ガーベラ・チューホネスと申します」

真っ白な銀髪を後ろで綺麗に編み込み、丈の長いスカートのメイド服着こなしてぴったり45度のお辞儀をしたガーベラさん。
あまりに綺麗で、私は見惚れてしまった。

「うわ、めっちゃ綺麗」

殺したらどうなるかな。赤色めっちゃ映えるだろうなぁ。
殺すのはハサミが似合いそう。声綺麗だし、さぞ綺麗な悲鳴をあげてくれるだろう。

「お褒めいただき光栄ございます」

あ、言われ慣れてんな。

「まず、A様には身なりを整えてもらうよう申しつけられております。
部屋備え付けのお風呂がございますので、ゆっくりつかってもらって構いません」
「ありがとう。えっと、タメ…で良いのか？」
「問題ございません。お好きなように」
「分かった。んじゃ風呂入るわ。…えっと、どこ？」
「こちらにございます」

店長のところよりなんかぴかぴかしており、操作方法がよくわからずに結局ガーベラさんに全部教えてもらった。これも仕事の一部だからなんともないらしい。メイドってすげー。
…てか専属メイド！？え、監視役…？大変なんだメイド…頑張れメイド…
ほんとに美人だなぁ、ガーベラさん。女神って拝まれてそう…
そんなやつ殺したら私が殺されるな。殺される気はねぇけどさ。
だから私専属なのか？少しは抵抗できる優秀なやつを、か。

ガーベラさんは美味しそうなおにぎりと漬物と鯖の味噌煮を持ってきてくれた。美味しい。
東の方の日本という国の文化、とアベルさんが教えてくれたことを思い出した。

「この料理って誰が作ったの？」
「軍専属のシェフでございます」
「へ〜」

ガーベラさんは私が椅子に座り、机に向かって食べているのを見ている。立って。

「ガーベラさん、座らないの？」
「いざというときに対応できませんので」

頑張れメイド。