ピリオドマン (ページ7)

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丸「俺のオンナに何手ぇ出しとんねん、脳天ぶち抜くぞコラ」

目線だけでマルを見上げると口調とは正反対に楽しそうに笑ってる

倉「安全装置外してないやん、タチの悪い冗談はやめてくれるかなぁ」

冗談と分かってるにしても心臓に悪い
パーカーの中が冷や汗で湿る感触がする

丸「ごめんごめーん」

ぎゅっとパーカーの裾が握られてることに気づいて俺に掴まってた顔を覗き込むとガチガチに震えてる

倉「おたくの大事な姫さんも完全にビビってるで」

丸「ごめんって信ちゃん、安心して、なんもせえへんよ？」

マルが頭を撫でると俺のパーカーを握りすぎて白くなってた手にようやく血流が戻り始めてる
今度は俯いてその手でズボンの股間部分を隠すようにするからよく見るとソファに液体が伝ってる

倉「チビった？」

泣きそうな顔、というより完全に泣き顔で俺を見上げた信ちゃんは頷く

丸「ごめん、信ちゃんほんまごめん、そんなビビると思ってなかってん」

信ちゃんに肩を貸して立たせたマルがバタバタと雑巾を取りに事務所を奔走する音がする

雛「今日だけで2回も死ぬか思った…」

座ってるのは気持ち悪いけど移動したら汚れるからと棒立ちの信ちゃんが呟く

倉「それが正常な反応やから安心して」

雛「ソファ、ごめんなさい」

倉「革張りやから多分染みてないと思うし大丈夫ちゃう？それで言ったらさっきコーヒーこぼしてるし」

ついでに言うとソファはマルの私物やから俺にはそれほど関係ない
コーヒーこぼした事件は俺が悪いけど、今のは完全にマルの責任やからな

というわけで、何だかんだありつつ信ちゃんの着替えも済んで、改めてソファに机を挟んで座った
俺の向かいに2人が座ってる
表情がコロコロ変わる小動物のようなこの人を眺めてたらちゃんづけで呼びたくなる気持ちも分かってきた

倉「なんか疲れたぁ」

丸「まぁでも信ちゃんとたっちょんが打ち解けてくれたみたいでよかったわ」

俺が信ちゃんの方を見るとへらぁっと笑う

倉「で、ゴキブリの巣は結局どこやったん？」

丸「それがさぁ、実は巣が思ったよりデカくて困ってんねん」

倉「どういうこと？」

マルが真面目な表情に戻り、姿勢が前に傾く

丸「横山組がバックについてた」