ピリオドマン (ページ6)

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雛「ほんまに、めっちゃ怖かった…」

泣きそうな顔をした水分量の多い目を向けられると強がってただけなんやなぁと思ってちょっと可愛く見えてきた

倉「そりゃ怖いわ」

そのまま俺の方に近づいてきてぎゅっと抱きついてきた
ちょっと戸惑ったけど一応背中に片手を回す
俺らはこういう世界を見慣れてるけど、この人が普通の世界からこうした世界の最底辺に引きずり込まれてた可能性を考えると急に怖くなった
闇金に手を出してた人が死体として転がってたから、蓋を開けてみれば非正規の手術によって臓器を摘出されてたなんて話も珍しくはない

ただこの話はおそらくこの子にしない方がいい
知らない方が良いこともある

倉「そういえばクッキーあるんやけどいる？」

抱きつかれたままなんがなんとな落ち着かなくて会話を探した
甘党なマルがセレクトした酒呑みな俺としてはあんまり口に合わない茶菓子セットがデスクに置いてあったはず

倉「取ってくるわ」

返事がないから立ち上がろうとすると服を引っ張られてソファにもう一度座り込んだ

雛「いま離れんといて…」

ガチャっとドアが開いた
マルが戻ってきたんかと思い、早かったなぁと思いながら横を向くとおでこに冷んやりとした金属の感触