ピリオドマン (ページ15)

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第2章ページ15

信ちゃんがここに来てから1週間が経った朝、日曜日がやってきた

一張羅なスーツを着て、髪を後ろに流せば俺もかなりそれらしく見える
事務所に来たときに空気が微妙にピリついてるのを肌で感じた

組長室に入ると白いシャツとデニムっていうシンプルな格好の信ちゃんがジャケットを抱えてソファに座ってる

倉「マルは？」

雛「忘れもん取りに行ったって」

倉「ていうかえらいラフな格好やなぁ」

一応襟付きやけど多分集まれば信ちゃんの服装はかなりラフなものに見えるはず

雛「一回スーツ着せてもろたんやけど、サイズ合わへんくて、それやったら動きやすい格好の方がいいやろうってことでこれ着せられた」

倉「まぁ確かに、それに下手にスーツ着るよりそっちの方がいざという時紛れやすそうやし」

ほんとなら信ちゃんは置いていきたいとこやけどそれが条件なんやからしゃあない

丸「お待たせー、そろそろ行こか」

マルもえらい髪型と服装に気合が入ってて謎に銀縁の丸メガネまでかけてどっからどう見てもヤクザや

外に出ると強い日光が鬱陶しい
できればTシャツにハーフパンツで出掛けたい気温や
車の運転席に乗り込んですぐに25度のエアコンのスイッチを入れた
後部座席にマルと信ちゃんが乗り込んだのを確認して、行き慣れた場所やからナビは必要ないけど念のために住所を入力する

倉「ちゃんとお店予約してる？」

丸「もちろん」

シートベルトを締めてエンジンをかけ、ゆっくりとアクセルを踏んで車を発進させた
入り組んだ細い道の多い京都である程度のスピードを出せる道は限られてる

丸「大倉、いざという時は信ちゃん任せたで」

えらい神妙な顔のマルがバックミラーに映ってて直に当たるエアコンの風がやけに冷たく感じた

倉「死亡フラグ立てんといてや」

丸「まぁ今日は大丈夫やろうけどな」

雛「あの…、めっちゃ空気読まれへん発言なんは分かってるんやけどもしかして結構今から修羅場なん？」

倉「そうやなぁ、横山組と丸山組の組長が対面するのなんか5年に1回とかちゃう？」

丸「オリンピックより少ないからな」

雛「じゃあマルが組長になってからは初めて？」

丸「そうやね、若頭として会ったことはあるけど、向こうの組長とは年齢も近かったし」