59. ページ9
初めて見る“kid”の姿に、二人はその姿を頭に叩き込もうと凝視する。
しかし、彼女達はウォッカに制された。
「覚えるだけ無駄ですぜ、ヤツはコロコロ顔を変えやがる」
その言葉には説得力があった。おそらくウォッカ自身も覚えるだけ無駄ということを自ら経験していたのだろう。
「どうせあれもヤツの顔の一つにすぎやせんよ……」と呆れた調子で眉を下げた。
「そこまでにしておけ、ウォッカ……」
ジンはウォッカに自らの持つ盗聴器を見せ、少々情報を与えすぎだと気付かせる。
ウォッカはそれに「すいやせん……」と返した。
「フン、まあいい。こいつを仕掛けた奴は迂闊にも指紋を残しているようだ。奴を殺った後で奴の周辺を探れば誰の仕業かわかるだろうからな……」
ジンがそう呟いた瞬間のことだった。
彼が持っていた盗聴器が一瞬にして粉々になる。
それとほぼ同時に、何かがカツンと屋上の柵に当たった音がした。
狙撃だ。
キャンティとコルンは誰によるものかを知るべく、狙撃された位置から相手の居場所を探す。
それが、今いるこの場所から700ヤード離れた場所にあるビルだと分かると、ジンはコルンの持つ銃を取り上げ、自らその目で相手を見た。
「――赤井……秀一？！」
ジンの目にはニヤリと口角を上げた赤井秀一が映る。
その直後、ジンの覗くスコープを弾丸が貫通した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 291人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
izawa(プロフ) - 東雲虚さん» ありがとうございます！ (7月24日 21時) (
レス) id: f153ef9291 (このIDを非表示/違反報告)
東雲虚 - とても面白い作品でした 更新楽しみに待ってます！ (7月10日 14時) (レス) @page41 id: 272de617c9 (このIDを非表示/違反報告)
izawa(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2022年10月5日 19時) (レス) id: f153ef9291 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 51話、ブロンズヘアーじゃなくて、ブロンドヘアーです。 (2022年10月5日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
