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ガチャっと開いたドア
入ってくるなり裕太は
私の全身を見て大きく頷いた
「サイズピッタリ。ドンピシャで可愛い」
「これ、やっぱり裕太が買ってくれたの?」
「そー。似合ってるよ」
「ありがとう?」
「まぁこれなら露出も少ないし可愛いしいいな」(ボソッ)
ボソッとなにか呟いたが
私にはあんまり聞こえなかった。
よく分からないがとりあえずこれで良かったっぽい
時計を見ると5時20分。
それを見ながら「あと10分か…」と呟いた
「あと7分でメイクできる?凝らないで、素な感じのナチュラルでいいから」
「え、私?」
「そう。髪は俺がやるからドレッサーの前座って?」
「え?え、ちょっと待って!私今から何するの?」
ついに私の頭の中はキャパオーバーだ。
朝からよくわかんない裕太を見せられ、
なんだかよくわなんない服を着せられ
最終的にメイク???
…待って、これ私どこか連れてかれる?
さっき作戦がどーたらって言ってたよね???
すると嫌な予感は的中した。
「ちょっとお出かけ。俺の仕事場着いてきてよ」
、
、
「え、ええええ?!」
正直驚きが隠せない。
ちょっと待って。裕太の仕事場って簡単に言えば
芸能界?!?!?!
こんな庶民の私がホイホイ行ける場所じゃなくない?!
「ちょ!なんで私が?!」
「話は後で!俺時間ない!!!!」
「時間ないって何?!」
そんな感じで頭の処理も追いつかないまま
7分で簡単なメイクを済ませ
後ろで丁寧に結ってくれていた髪を確認し
ダッシュでマンション地下の駐車場へ向かった。
車に乗り込むと
裕太がさっきまで被っていたバケハを私に被せてきた
「前見えないようにしといてね。バレたら危険だから」
「あ、そっか」
一応彼は芸能人、もといアイドル
お互いマスクはしているがバレないように車に乗っている時は2人とも顔をギリギリまで隠す
そのまま何か聞くまもなく車は発進した。
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作者名:桃 葉 こ な つ | 作成日時:2023年1月22日 4時