いい加減にしろ！！３

椎名に力を ページ44

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『良平さん、私どうしたらいいんでしょう』

木村｢ん〜？何が？｣

『緊張で口から胃が出て下から腸が出そうです』

木村｢食ってる時にんな話すんなよ汚ねえな｣

『あ"〜、良平さ〜んどうしましょ〜』

木村｢すみません！生一つ！｣




今日は良平さんと飲みに来ている。

ちなみにライブは明後日。ちゃんとリハとかはしてるからね。した上での飲みだからね

それでも緊張ではち切れそうな私は良平さんに力をもらいに来た。





『良平さん私に力をください』

木村｢どうやってだよ、笑｣

『ほら、プリキュアみたいに。椎名に〜力を〜！って』

木村｢あの変なライト振るやつな｣

『変なとか言わないでください。私も小さい頃は誰よりも全力で振ってたんですから』

木村｢それはごめん｣



テーブルには空になったジョッキが二つ

良平さんはいつもペースが早いが、今日の私はひと味違うため良平さんのペースについていけている。



木村｢お前飲むの早くね？｣

『良平さんに言われたくないですよぉ』

木村｢そうやって語尾が伸びる時は酔ってる時だ。そろそろペース落とせよ｣

『過保護バカめ』

木村｢んあ"？？なんつった？｣

『好きですって言いました』

木村｢おう、それならよろしい｣






未だに緊張して浮かない顔をしている私に呆れたのか良平さんはジョッキを置いて、ため息をついた。

面倒くさいと思われているだろうか、いや、この際思われてもいい。


良平さんだし。どうせ分かってくれてるし。この人の事だから上手いこと慰めてくれるんだろうな。












木村｢頑張れ｣












そんなことを思っていた私は、予想外の言葉に驚いた。


｢大丈夫だ｣とか｢お前ならできる｣とかそう言う応援ではなく、シンプルで1番力が出る言葉。おにい達の歌の歌詞にそんな感じのがあった気がする。


【頑張れ、そんな安いやつでいい】みたいな











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『良平さん、私のこと好きでしょ』



いつもみたいに揶揄うように言うのではなく、否定も肯定もさせないような言い方。



木村｢ほんと、お前は単純で扱いやすいから好きだよ｣



それに彼は斜め上の答えを返してくる。本当にこの先輩は最高だ。







『じゃあ、頑張っちゃおうかなー！』

木村｢おうおう、頑張れ頑張れ｣

『もちろん見に来てくれるんですよね？』

木村｢毎回毎回、関係者席で見るのは申し訳ないんだけど｣

『いいんです！良平さんは特別ですから』

木村｢そりゃどうも｣

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