・ ページ28
・
梶「あ、お疲れ様です!」
お疲れ〜と手を軽く振りながらこちらへやってきたのは
良平さんだった。すると良平さんは私の顔を見ると数秒固まり、急に眉間に皺を寄せながら、大股でこちらに来た。
『ぇ、』
私の目の前に来ると、私の手首をグッと掴んだ。そして身震いをしたくなるような低い声で言った。
"お前熱あんだろ"
『へ??』
下野「はっ!?熱あんの?!」
『え、あ、いや』
木村「あ"?あんだろ熱」
『その、』
木村「なんで仕事きたわけ?そういう無理はやめろっつったよな??」
『でも、ッ!』
体調は悪くない、そう言おうと良平さんの顔を見るととてつもなく怖い顔をしていたもんだから言葉を詰まらせてしまった。
梶「ちょっとまって、椎名熱あんの?」
『あぁ、実は…』
梶「言えよ!大丈夫なの?」
下野「全然気づかなかったわ」
梶「ですよね」
下野「うんうん」
とりあえずマネージャーに連絡する、と言って良平さんは私のマネちゃんに電話をかけ始めた。その間も少し強めに握られた手首はそのまま。
木村「直ぐに迎えに来るって」
『すみません、なんか』
木村「あのなあ、どうせ体調は悪くないから大丈夫とか思ってたんだろうけど今になったら体調悪くなってきただろ?」
『……』
私は返す言葉もなく、コクコクと頷くだけ。
木村「それにお前が大丈夫でも、万が一倒れられたりしたら周りの人にも迷惑がかかる。」
ごもっともです
木村「つか、声を武器としてる人達が集まんだから移ったらとか考えろよ。ばかかお前」
ごもっともです
けど………
『っ、すみませんっ…』
風邪の影響は体調じゃなくて、精神にきたんですか?という並に、良平さんの言葉がよく刺さって。
木村「なっ、なんで泣いてんだよ!」
『すみませんっ、泣くつもりは』
木村「あーあー、俺が言いすぎたって。いや、言いすぎてはねえな。当たり前のことだ」
『あ"〜〜、すみません〜〜っ!!』
木村「おい!泣くな!!熱上がんだろ!!!!!」
こするなと言われ、いつの間にか手首を掴んでいた手は離れていて、その手は私の涙を拭ってくれている。熱があるせいか、良平さんの手は少し冷たくて気持ちよかった。
梶「気づきました?」
下野「全然」
梶「顔も赤くなかったですよね」
下野「うん。いつも通りの馬鹿な椎名だなって思ってた」
梶「事務所の先輩ってすごい」
下野「うんすごい」
920人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひながき(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!公開いたしました!!今後ともよろしくお願いします! (2022年1月5日 22時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメント失礼します!いつも楽しく読ませていただいています!声優さん方の絡みが毎回面白くて好きです!是非四章も読みたいと思っているのですが、パスワードが必要との事ですので、差し支えなければパスワードを教えてもらってもよろしいでしょうか?応援してます! (2022年1月4日 15時) (レス) @page50 id: afc7ca5521 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - レイさん» 毎章コメントありがとうございます!!もう私からしたらマブですね。続編も読んでいただけると嬉しいです! (2021年12月29日 15時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 遂に三章目、、、、終わってしまった。。。。今シーズン(?)も面白かったです!え?シーズン4?待たねえ奴いる?いねぇよなぁ!!右の星連打して、楽しみにしてまぁす!!!!() (2021年12月29日 9時) (レス) @page50 id: c204bce294 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - sakubasho3104さん» いいですねそれ!笑 コメントありがとうございます!書いてみます! (2021年12月7日 19時) (レス) @page29 id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひながき | 作成日時:2021年11月17日 23時