あまおう third

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「何、言いづらい話？どっか場所変える？」



「いや……言いづらい…ではあるんですけど…」



「なんだよ、重岡のくせに気を遣うとか怖いんだけど」





何て切り出せばいい？




だけど、やっぱりコソコソするのは嫌やから。




もしもダメって言われたら、その時どうするか考えよう。




だからマネージャーには正直に言おう。






「あの……何で、ここの会社ってお客さんとの恋愛禁止なんですか？」



「何だよ、今さらそんなの聞く？



……何でっていうか、前任の人の方針だし、俺も別に反対する理由が無いからな。

公私混同しないって事で悪くない決まりだと思うけど」






そう、この話は何千回とマネージャーはいろんな人としてきたんだと思う。




実際俺も、悪くない決まりだと思ってた。




だから、何となく受け入れてたし、それに疑問を持つ日が来るなんて思わなかった。







「…もしそうなったら、異動って決まりなんですか…？」



「決まりっていうか……まぁ、井上さんの場合はそうなったな。



上が具体的な処分は決めたから、俺はその辺は何とも。





ていうかさ、ハッキリ言えば？何が言いたいんだよ」






煮え切らない俺に少しマネージャーはイラっとしたのか、それを抑えるためにため息をついたのが分かった。






そんな気にせず言えたらこんな苦労せんわ。






「…じゃあさ、当てていい？重岡が言いたい事」



「…分かるんですか？」



「多分だけどな。





上田さんと付き合いたいけど、異動は嫌だ。






であってる？」







ビンゴ過ぎて思わず黙ってしまって





それって、認めてると同じこと。

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