あまおう

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変なの。

お客さんなのは本当だし、それに落ち込む理由なんか無いのに。




微妙にモヤモヤするのは、そう思われてるのが不満って事で…

って、そんなの図々しいか。





「ところで、Aちゃん彼氏とかいるの？」





全く悪気の無い質問なのは分かってる。


だけどその言葉を聞いた瞬間、瑞希の顔が強ばった。





「ちょっと、のんちゃん不躾過ぎ」



「ごめんごめん。シゲが聞きたそうだから」



「はぁっ！？お前ただの野次馬やろ！



…この前おらんって言ってたけどさ、俺少し前に上田さんが彼氏とデートしてるところ見た」



「え？」






1人で失恋したばっかりでーすと感傷に浸ってたけど、重岡さんの言葉で現実に引き戻される。






「いや、何のこと？」


「とぼけんでもええやん。

ワイルドな彼氏とお買い物してるの見かけてんけど。

ほら、仲良くスポーツ用品店で何か選んでた時」


「スポーツ……？」





何の話だ。


そもそも、タケルくんは全くワイルドじゃない上に、別れてから重岡さんと出会ってるから顔も知ってるわけない。






「隠さんでもさー、ええやろ？別に幸せやからって嫌がらせとかしないし」


「じゃなくて、何の話のか…」


「もしかして、お兄さんのことじゃないの？ワイルドな彼氏って」






瑞希が閃いたらしく、そしてその言葉に、1ヶ月くらい前にジムに通う為にウェアを買いに近所のスポーツ用品店へ兄貴と行った事を思いだした。

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